シンオウ地方を旅する

□マサゴタウン
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『んーと、最初はコトブキシティを目指そうか。』

〈いいけど…マサゴタウンに寄ってからね?〉

『マサゴ?なんで?』

〈ナナカマド博士に挨拶。あと、準備できなかったものをフレンドリィショップで買わなきゃ。〉


なるほど、と頷いて少し歩みを早める。
素敵な相棒を私にくれた人だ。
会うことができるのであれば、是非とも会いたい。


〈急ぐのはいいけど、無闇に草むらに突っ込んで行ったら危ないよ。〉

『大丈夫大丈夫!いざとなったら海翔が守ってくれるでしょ?』

〈…どうだろうね。〉

『え、ちょちょ、冗談に聞こえないからやめてよ。』


まぁ、そんなこと言っても結局最後は助けてくれるんだけどね。
海翔は根が優しいから。


そんなことをワーワーと言い合いながら、進んでいくと、徐々に水色の屋根が見えてくる。


『あ、あれって…。』

〈ポケモン研究所だよ。ナナカマド博士の研究所。〉

『おぉ!意外と早かったね。』


まだフタバタウンを出て数分と経っていないはずだ。
それとも、楽しすぎて時間の経過に気付かなかったのか。


『よーし!とうちゃーく!』

〈ナナカマド博士はここにいるはずだけど…。〉

『じゃあ、とりあえず行こっか。』


ポケモンの、とは言え研究所なんてところ入ったことも見たこともないから少しだけ緊張する。
私は恐る恐るドアを開けて中を見渡す。
どうやら博士はいないようだ。
近くにいる研究員らしき人に声を掛けようかな。


「おや…。」

『わっ!!』


背後で突然海翔のものではない声がして飛び上がる。
声の主を確かめるべく振り向くと、


『あ、あれ…ナナカマド、博士?』


私たちの探し人ナナカマド博士が私を見つめながら驚いたような顔をして立っていた。


「ミオか?」

『は、はい。』

「そう堅くならんでもいい。大きくなったな。」

『う、うーん、そうですか?』

〈少なくとも縮んではないよ。〉

『あ、当たり前じゃん!縮んでたまるか!!』

「…その力もまだあるようだな。」


その力、それは私の持つポケモンと話すことができるこの力のことだろう。


「まぁ、こんなところで立ち話もなんだ。中に入るといい。」

『はい。お邪魔します!』
 
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