愛を込めて花束を-黄瀬涼太-
□ふわりと漂う
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「...盗み聞き?」
パフッとまいう棒に噛り付きながら紫原は尋ねる。
「そういうことしようとしたわけじゃないんスけどねー...」
ようやく紫原の前に姿を現す黄瀬。
「...黄瀬ちん、ホントは俺が目的じゃないでしょ」
逃げられたね
モグモグと口を動かしながらそう付け足す。
(...ホント、参ったっスね...)
心の中でそう呟き、黄瀬は彼の隣に腰掛ける。
「...取らないんスか?」
それ
と言って紫原の髪を束ねている彼女の髪ゴムを指さして尋ねた。
「...今日の黄瀬ちんの前では取らない」
取るのダルイし
手をペロリと舐める紫原。
そんな彼を黄瀬は横目で見ていた。
to be continued