愛を込めて花束を-黄瀬涼太-
□一つ、一つ
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「っつあ〜...」
「...予定通り、だな」
インターハイ予選、海常高校は勝ち上がり出場決定の切符を手にした。
「見たか、あの上の観客席にいた可愛い子を。
...俺は昨日、あの子の為に戦いそして―――
「彼女は黄瀬を見ていたな」
何食わぬ顔で言った笠松に、ガーンと頭を下げる森山。
「ぅぉぉおおお!!!!!
明日もリバウンドは―――!!!!!!!」
「決勝終わったのに後どこと戦うんだよテメーは!」
大声を上げて気合を入れている早川に、再度突っ込みを入れる笠松。
「...にしても、インターハイ出場も決定したし...後は、周りのどこが勝ち上がって来るか...見物だな」
「ああ、明日は誠凛対正邦の試合...の後に、その勝ち上がった方と秀徳との試合...。
正邦は癖の強いチームだと聞いたことがある...誠凛はどう出るか」
森山に続き、笠松も難しい顔をして言葉を発する。
「でも、秀徳もその日隣で試合ですよね?
まだ秀徳が勝つとは...
「バカ、 お前も知ってんだろ。
提言は『不撓不屈』... 前年度全国ベスト8に入る実績を持つ東京都不動の三大王者の一角、通称『東の王者』に『歴戦の王者』と呼ばれる強豪校...。
そんなヤバいところが、予選で負けるとかあり得ねえっつーの...」
「ッ...!」
早川に再度『秀徳』というチームを説明する。
さすがの早川も、森山の真剣な口調に息を飲んだ。
「...しかも、あそこは今年俺達同様、キセキの世代『緑間真太郎』を獲得している。
...ただ者じゃねーぜ」
「「「「「...」」」」
「...ま、これ以上話しても意味がねえ。
練習始めるぞ!!」
昨日インターハイ出場が決まった彼等は、いつも以上に気を入れて練習し始めた。