愛を込めて花束を-side story-
□3月14日-莉叶と桃井のホワイトデー -
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※キセキのバレンタインデーと繋がり有※
「あっ...おっはよー莉叶ちゃん!」
「おはよー桃井ちゃん」
学校に登校して間もなく、桃井は莉叶を見つけると彼女に駆け寄った。
「ねー、今日は何の日か覚えてる?」
「ぇ、今日?」
挨拶の次に桃井の口から出た言葉は、疑問文だった。
「そー!今日だよ!
...ねえ、なんか朝から男子がそわそわしてると思わない...?」
「男子?...そわそわ?」
あー......
と言うなり、莉叶は頬に一本指を当てる。
「あ!」
「うん!」
「三年生の先輩達も数日前に卒業しちゃったしねえー...強敵は減るよねえ...」
「うんうん!」
「今年度最後の全国学力テスト、今日だもんねえー」
「...うんっ?」
桃井の上半身が斜め四十五度に傾く。
「んー...張りがなくなるってことはわたしはないけれども...でも中にはそういう人達もいるよね...」
「......」
「桃井ちゃんも頑張ってね!」
「ぁ...うん?ありがとう...?」
自分のクラスが目の前に迫った莉叶は、再度桃井に手を振り中へと入って行った。
「......」
(莉叶ちゃん...やっぱり、天然さん?)
がっくりと桃井は肩を落とした。