愛を込めて花束を-黄瀬涼太-

□女
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夏休みが終わってからの、初めての学校。

久々な空気に心がなんだかくすぐったい。


長期休日明けで今まで以上に肌が黒くなった部活動生や、逆に引き篭もっていたのであろう色白の生徒もまばらに見かけた。


昼休みになり長い休みの出来事を話す者はどんどん増える。


昼食を終え、歯磨きをしに手洗い場にいた黄瀬もまたその一人だった。


「黄瀬君、今回の部活には夏休みも参加してたんだってね!」

「バスケ部でしょ!?」

「黄瀬君ってなーんでも出来るんだね!」



「ばふけふぁたのふぃっふよ」



「あははー何言ってんのかわかんないよ黄瀬君!」


口の中に歯磨き粉の泡がいっぱいの彼を見て、周りの女子生徒はまた騒ぐ。



(...ん?)



校舎の奥に、男子生徒の塊が出来ているのに黄瀬は気付く。


何かを囲んでいるような状態だ。



(......)



口の中をゆすぎ、いったん教室に戻って歯ブラシをいつもの定位置に戻す。

そして、先程目撃した場所へと足を進めた。



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