愛を込めて花束を-黄瀬涼太-
□手を差し伸べてくれる先輩
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夕焼けが見える高台にある小さな公園に部活帰りの莉叶はいた。
ベンチに荷物を置き、ブランコに腰掛けていた。
...辺りが暗くなり始めた。
沈み始めたオレンジ色の太陽は、動きが早い。
あっという間に姿を隠してしまい、紫色に染まる空を残して行った。
外灯が、明かりを灯す。
「よぉ」
それと同時に、昼間の着信を取った男子が姿を見せた。
「...久しぶりだな、莉叶」
「虹村、先輩...」
ニッと笑うと、彼は莉叶へと近づくために歩き出した。