愛を込めて花束を-黄瀬涼太-
□咲いた花は太陽を見失う
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「俺より弱い人の言うこと...聞くのやだなぁ」
...空気が、凍り付く。
「...だから〜、俺より弱い人の言うことは聞くのやだって言ったの」
「...なんだと」
久々に一軍メンバーがそろって体育館に集まった。
だが、やはりそれだけじゃすまなかった。
「ム...ムッ君...!!?」
桃井がその場から動けなくなる。
「...」
「...」
「...!緑間っち...」
「やめておくのだよ」
無言で二人の間に入って行こうとした黄瀬を、緑間も無言で制する。
「...見物なんじゃねーの?」
青峰もボソリと呟く。
「ッ...」
それを聞き逃さなかった黒子が、グッと手に力を入れた。
「1on1...五本先取だ」
「赤司っち!?」
「赤司!?」
まさか本当に勝負をするとは思っていなかった黄瀬と緑間が困惑する。
「ちょっ...!」
「カウントを頼む」
赤司は桃井にそう告げると、すでにコートの真ん中で待っている紫原のところへとボールを持って向かっていった。
そして、戦いは始まった。