愛を込めて花束を-黄瀬涼太-

□挑戦者
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―――練習試合当日。


予定通り平日に組まれたので、授業が終わってから放課後に誠凛が海常高校へと向かうということになった。




「うわぁ〜広〜...!
 やっぱ運動部に力入れてるところは違うね〜!!」


「...火神君、いつにも増して悪いです...目付き」


「うるせぇ...」



興奮して眠れなかったのだろう。

火神の目は充血していた。




「ちょっとテンション上がり過ぎてな...」


「遠足前の小学生ですか」


「何をっ...!!」






「どーもっスー!!」


聞き覚えのある声が前方からした。

パタパタとこちらに走ってくる一人の人物...黄瀬だ。




「広いんでお迎えに上がりました」


「どーも」


「黄瀬!...って、おい」


「黒子っち、うちにおいでって言ったのにあんなにあっさりフるから...」


火神をスルーして黄瀬は黒子の前へと迷わず足を運ぶ。


「毎晩枕を濡らしてるんスよ?」



も〜...!



「...何なんだアイツ...」


掴めないというより、掴みたくないと言った感じで日向は呟く。


「俺、女の子にもフられたことないんスよ〜?」


「さらっと嫌味言うのやめてもらえますか?
 ...スポドリ」


「あれは事故っスよ絶対!
 つか何で黒子っちが知ってるんスかそれ、どっから情報漏れたんスか」



黒子がボソッと言うと、黄瀬は声を潜めて反論した。












「...だから、黒子っちにあそこまで言わせる君にはちょっと興味あるんス」



ようやく火神に反応を示し、彼の目の前を横切る。



「キセキの世代なんて呼び名に別にこだわりとかはないんスけど...あれだけハッキリ喧嘩売られちゃあね...」


「...」


自分より少し前にいる黄瀬に火神は視線を向ける。





「...俺もそこまで人間出来てないんで。
 悪いけど、本気でぶっ潰すっスよ」


「...おもしれぇ!」



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