愛を込めて花束を-黄瀬涼太-

□自問自答とライバル
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火神がダンクを決め、ブザーが鳴り響いた。

体育館の中は静まり返り、その光景に息を詰まらせた。



100対98



「...ぅぉぉおおっしゃぁあああああああ!!!!!!」



火神のガッツポーズと共に、誠凛は一斉に喜びを表す。



「嬉しい通り越して...信じらんねー!」


日向達も、火神に向かって親指を立てる。



そんな彼らの様子を見て、黒子も表情を和らげた。





「...っはー...」


沈黙している海常、笠松は大きく息を吸う。




「...負け、たんス...か?
 生まれて初めて、負...」


呆然として、その場に立ち尽くしている黄瀬。



「...あれ?」



汗と共に流れる雫。

目がしらが、熱い。



身体が火照っているせいだろうか。



じゃあ、この視界のぼやけ方は...何?






「あれ、あれ...?」



溢れ出て、止まらないそれに黄瀬は懸命に両手で拭おうとする。







「オイ退け!」


「ぅぁ!?」


「めそめそしてんじゃねーよ」



笠松が、黄瀬の腰に軽く蹴りを入れる。



「つか、今まで負けたことがねーって方が舐めてんだよ。
 しばくぞ!!」




ちゃんとリベンジってタグを追加しとけ!!!




彼の喝にハッとなり、いつもの表情に戻りつつあった黄瀬は頷いた。








「整列!
 100対98で、誠凛高校の勝ち!」


「「「「ありがとうございました!!」」」」



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