愛を込めて花束を-黄瀬涼太-
□一つ、一つ
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練習が終わって、午後。
支度を整え、制服に着替えて例の二人は外を歩いていた。
「...何見てんだよ」
「今朝のおは朝の録画っス」
笠松の隣でイヤホンを付けながら画面に映る映像を見ている黄瀬。
「朝占い...これの結果良いと、緑間っちも良いんス」
「あー...何か言ってたな。
で、何座?」
「蟹座っス。
ちなみに黒子っちは水瓶座」
「そこまで聞いてねーよ」
「一位は蟹座、おめでとう!
今日は文句なし!!」
一つ一つ、頭に入れていく黄瀬。
だが、いつまでたっても水瓶座という単語が出てこない。
「最下位は水瓶座です。
今日は大人しくしておいた方が―――
「...げ」
「...ん?何だよ」
目的地-体育館-を目前にして足を止める黄瀬に、笠松が声をかける。
「...最悪っス」