白愛〜White Love〜
□二〜客人来たり〜
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「ぁ、あんた......」
「んぁ?...加州清光?」
強い光の中現れたのは、幕末を共に駆け抜けた身近な刀剣だった。
「はぁ〜...よりによって何であんたなの...」
「随分と口が達者だなぁ加州清光?
久々に顔を合わせて第一声がそれか?あ?」
「はいはい、どうどう」
距離が縮まっていく2人の間に、光が割り込む。
「...アンタか、俺に呼びかけたのは」
「初めまして、審神者・麻倉光です。
そしてよろしく」
「おう」
あっさりとした挨拶を交す2人。
そして奥からだんだん近づいてくる足音。
そして―――
「兼さーーーーーん!」
「ぅおッ!!?」
スパーンッと勢いよく襖が開いたと思えば、堀川の姿。
「兼さん!」
「おう、久しぶりだな。
お前もここにいたのか」
「うん、待ってたよ兼さん!」
光と加州の口を動かす暇なく、まるで嵐のように堀川が現れ、彼は吹き抜ける風のごとく兼定をその場から連れ出した。
「...ったくも〜、主に御礼くらい言いなよあいつ等...」
「また一段と賑やかになりそうだね〜」
「主、あんな簡単すぎる挨拶でいいの?
俺だったら腹立つんだけど」
「ん?いーのいーの」
ケロリとしている光の顔を見て「はぁ」とため息を付く加州。
「ぁ、あ...あの...!」
「「?」」
開きっぱなしになっていた襖からひょこりと顔を出していたのはカクカク震えて涙目になっている五虎退。
「あの...来客、?が...」
「お客さん?」
「あ、忘れてた」
首を傾げる加州の隣で、光はポンッと手を叩く。
「今行くよ五虎退」
「ねぇ、何?
何なの?俺聞いてないよ」
「わたしも忘れてた!」