ふたつの唇-赤司征十郎-
□Problem child.
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「...、...ちゃん、...梢ちゃん!」
「!...ぁ、ごめん」
不覚だった。
彼女は休み時間だというのに、前の授業の形を崩さないままずっと席に座っていたのだ。
さすがに心配になったクラスメートが声をかけてくれたらしいが、反応が遅れた。
「...どしたの、なんか珍しいね。
もしかして体調悪い?」
「え、あ...いやー大丈夫だよ!
気にしないで」
「そう...?
無理しちゃダメだよ」
「ありがとう」
次は体育館でマット運動の授業だ。
教室は男子が体操服に着替える場所なので、女子は別にある更衣室へと移動する。
梢も、慌てて身支度をし教室を出た。