ふたつの唇-赤司征十郎-
□Problem child.
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...実はと言うと、今日は朝から体調が優れないでいた
でも、そこまで身体がキツイわけでもないし学校を欠席することなどもってのほかだ
ということで登校したのはいいが...この様だ
そしてわたしはとうとう、この授業でやらかす
前転・後転・開脚前転に伸膝後転
基本の技をクリアする
そしてドンキーといういわばバク転の後半の動きを表わす大技に挑む
ダンッ
身体のバランス感覚はいい方だ
わたしの身体はとても柔軟である
宙に足が放り出され、完璧に着地する
周りの驚きと歓声を浴びたわたしは、ちょっと照れる
再度全員の前で今の技を披露しろと先生に言われ、再び皆の注目を浴びるマットへと向かう
ダンッ
さっきと同じように、マットに手を付ける
(あれっ...!?)
だが、視界がぐにゃりと歪んだ
目が回ったのかな...
と思うと同時に、着地を失敗し身体がマットに叩きつけられた
「ちょっ...大丈夫!?」
まずは怪我はないか、首を痛めていないかと先生に尋ねられるが特に問題なさそうだ
「梢ちゃん、なんか...頬がいつもより赤い、かも」
「え?」
「...熱、あるんじゃない?」
身体を触られて、「やっぱちょっと熱いかも」と言うクラスメートは先生に報告を入れる
先生も今の失敗でわたしに本当に異常がないか心配だったらしく、保健室へと向かわされた