東方神起


□愛・無双華
1ページ/21ページ





全ての命はお国の為…



産まれた時から決まっている命の終わり


いつかは尽きるその命…




出来ることなら最後の時は 暖かな部屋で愛する人に見守られて旅立ちたい






そんなささやかな願いすらこの時代には贅沢な願い…








18○○年 8月




いつ終わるともなく繰り返される戦争 戦争 戦争…



尊い命が無意味に失われては 涙の雨が降る




若い働き手を失い 残された者もまた餓えと苦しみに 早すぎる死を迎え

どれだけの命を犠牲にしたらこの争いは幕を閉じるのか…






そんな渦中に僕達は放り出されていた





もぅ 何日続いたか…

敵地での最前線





待てど暮らせど援軍の足音すら聞こえてはこない



はなっから無謀な戦いと分かっていて…



生存者は「なし」とされているのか…






目標は目の前だったが
僕達は既に限界だった



ここでもまた 何の罪もない沢山の命が散っていき あちこちに無数の亡骸が散乱し

生き残りは たった二人…







ユノ 「 くそっ! 目の前に標的があるのに…! 」



チャミ 「 歯痒いですね… でも ここから出たら蜂の巣…… 立ち上がった瞬間に弾の餌食です! どちらかが辿り着ければ…! 」



ユノ 「 例え どちらかが囮になっても あそこまでは辿り着けないさ……… 悔しいが… ここまでか…! 」






目的を成し遂げることは どんなに策を練っても不可能な状況だった




辺りは戦地には似つかわしくないほど静まり返っている


小さな掘に隠れた敵襲を 今か今かと無数の銃口が狙いを定めていたのだ



掘から出たら一溜まりもない
銃弾の雨霰(あめあられ)だろう…





>
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ