東方神起
□愛・無双華
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全ての命はお国の為…
産まれた時から決まっている命の終わり
いつかは尽きるその命…
出来ることなら最後の時は 暖かな部屋で愛する人に見守られて旅立ちたい
そんなささやかな願いすらこの時代には贅沢な願い…
18○○年 8月
いつ終わるともなく繰り返される戦争 戦争 戦争…
尊い命が無意味に失われては 涙の雨が降る
若い働き手を失い 残された者もまた餓えと苦しみに 早すぎる死を迎え
どれだけの命を犠牲にしたらこの争いは幕を閉じるのか…
そんな渦中に僕達は放り出されていた
もぅ 何日続いたか…
敵地での最前線
待てど暮らせど援軍の足音すら聞こえてはこない
はなっから無謀な戦いと分かっていて…
生存者は「なし」とされているのか…
目標は目の前だったが
僕達は既に限界だった
ここでもまた 何の罪もない沢山の命が散っていき あちこちに無数の亡骸が散乱し
生き残りは たった二人…
ユノ 「 くそっ! 目の前に標的があるのに…! 」
チャミ 「 歯痒いですね… でも ここから出たら蜂の巣…… 立ち上がった瞬間に弾の餌食です! どちらかが辿り着ければ…! 」
ユノ 「 例え どちらかが囮になっても あそこまでは辿り着けないさ……… 悔しいが… ここまでか…! 」
目的を成し遂げることは どんなに策を練っても不可能な状況だった
辺りは戦地には似つかわしくないほど静まり返っている
小さな掘に隠れた敵襲を 今か今かと無数の銃口が狙いを定めていたのだ
掘から出たら一溜まりもない
銃弾の雨霰(あめあられ)だろう…
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