東方神起
□青い契り
1ページ/6ページ
どれだけの時間
ここにいただろう…
もぅ帰ろう…と
何度心の中で唱えただろう
見慣れた壁の色
見慣れたキッチン
見慣れた家具の配置
見慣れた夜景
そして
見慣れた二人の写真…
JJ 「 … フッ …
馬鹿みたい… 」
写真に写る二人の顔を
そっと指先でなぞり
鼻で笑ってみせた
JJ 「 こんなの…
何の意味もない… 」
その指先で
そのままフレームをスッ… と
押し滑らせた
―― カシャン! ――
ガラスが小さく飛び散って
二人の顔はガラスの罅(ひび)の奥で変わらない笑顔のままで…
見下ろすオレを見つめて
せせら笑ってるみたいだ
JJ 「 … かえろ … 」
今度こそ!
気持ちが変わらないうちにここを出るんだ!
キッチンに背を向ける
一歩… また一歩…
足取りは鉛のように重い
部屋のドアまでたどり着き照明のスイッチに手をかけた
ほんの少し振り返り
テレビと向かい合わせで置かれたソファーと 見飽きた夜景に視線を流した
窓の外は 雪…
JJ 「 ……… 」
瞳を伏せ
指先に力を込めた
―― カチッ…
暗くなった部屋に背を向け
玄関へと続く廊下を虚しく見つめながら 歩みを進めた
部屋から玄関まで それほど遠くはないのに
今日のオレには 果てしなく険しい道のりのように感じた
重い足を引きずるようにして ようやく玄関先に立ち
脇にポツンと立っている
コートスタンドに手を伸ばす
自分が纏(まと)ってきた 黒のダウンと
昨日しまい忘れた
カーキ色のユノのジャンパー…
ダウンを取ろうとして伸ばした指先が
その意思に反して
カーキ色のジャンパーに伸びる
JJ 「 …… ユノ …… 」
>