short novels

□愛のムチ
1ページ/7ページ


《赤司視点》

「何でアイツに笑顔なんか向けてるんだ!」
「…征十郎?」
「言ったよね? 他の男と親しくするなって!」

きょとんとした顔の楓に心底腹が立った。

「どうしてっ、」

ーーぱんっ

解ってくれないんだ、と動こうとした口は、止まった。

じんじんと頬が熱く痛む。

冷静な漆黒が、僕を射抜くように見つめていた。
次へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ