暗殺教室

□大人の時間
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スマホが鳴り始めた。

『もしもし……?』

「烏間だ」

『烏間先生……?』

烏間先生からの連絡なんて珍しいなと思いながら用件を聞く。

『それで?』

「明日からもう一人の暗殺者が導入される
顔見知りだろうから決して邪魔のないようにと防衛省から伝言だ」

『わざわざ言わなくてもそれぐらい暗殺者の暗黙の了解だよ』

「そうか、では頼んだ」

『はぁーい』

電話を切り『誰が来るのかな』という期待を胸に家へ入った。





ーー翌日

「……今日から来た外国語の臨時講師を紹介する」

『(あー……きのう言ってた)』

「イリーナ・イェラビッチと申します
みなさんよろしく!!」

何故か殺せんせーにベタベタとひっついている。

「(……すっげー美人)」

「(おっぱいやべーな)」

「(……で、なんでベタベタなの?)」

いきなりやって来た新任の先生が殺せんせーにベタベタで美人なので皆ドン引き。

「本格的な外国語に触れさせたいとの学校の意向だ
英語の半分は彼女の受け持ちで文句は無いな?」

「……仕方ありませんねぇ」

「どんな人かと思ったら殺せんせーにベタベタじゃん
ねールリ」

『んー、あーゆーのがタイプな人なのかな?』

カルマが実は顔見知りなのだが昨日の通り暗黙の了解。
知らない振りをする。

渚が殺せんせーの弱点メモに、
人間の女性にベタベタされても戸惑うだけで、どのような顔をするのかとメモを取ろうと観察している。

殺せんせーはイリーナ・イェラビッチの胸をみた。

顔をピンクにさせてデレデレし始めた。

「「「「「(普通にデレデレじゃねーか!!)」」」」」

「ああ……見れば見るほど素敵ですわぁ
その正露丸みたいな手ぶらな瞳
曖昧な関節
私とりこになってしまいそう♡」

「いやぁお恥ずかしい」

いつまでもベタベタするイリーナ・イェラビッチ。

「「「「「騙されないで殺せんせー!!
そこがツボな女なんていないから!!」」」」」

渚達もそこまで鈍くないこの時期にこのクラスにやってくる先生。
結構な確率で只者じゃない。


ーー

暗殺サッカーを楽しんでいると、イリーナ・イェラビッチが走りながらやって来た。

「殺せんせー!
烏間先生から聞きましたわ
すっごく足がお速いんですって?」

「いやぁそれほどでもないですねぇ」

殺せんせーもイリーナ・イェラビッチも二人ともデレデレだ。

「お願いがあるの
一度本場のベトナムコーヒーを飲んでみたくて
私が英語を教えてる間に買って来て下さらない?」

「お安い御用です。
ベトナムに良い店をしってますから」

そしてマッハでベトナムへと旅立った。

「……で、えーと、イリーナ……先生?
授業始まるし教室もどります?」

流石学級委員磯貝悠馬だ。

「授業?……ああ、各自適当に自習でもしてなさい
それとファーストネームで気安く呼ぶのやめてくれる?」

タバコをふかしながら本来の性格を現した。

「あのタコの前以外では先生を演じるつもりも無いし“イェラビッチお姉様“と呼びなさい」

その王女様な正確に皆固まった。

「……で、どーすんの?ビッチねえさん」

「略すな!!」

「あんた殺し屋なんでしょ?
クラス総掛かりで殺せないモンスター
ビッチねえさん一人で殺れんの?」

見下した態度をとるカルマ。

「……ガキが大人にはね大人の殺り方があるのよ

潮田渚ってあんたよね?」

渚に近付いたと思ったその時、
渚とビッチねえさんの唇が重なり、それは深いものになった。

それを呆然と見る者もいれば顔を真っ赤にする者もいれば興味津々に見る者もいた。

その興味津々に見る者の一人がルリの横にいた。

『……カ、カルマ
何で興味津々なのっ//』

「俺も思春期の男子だからね〜」

『…………見てるこっちが恥ずかしいよ//』

顔を真っ赤にするルリを見てニヤニヤしながら弄った。

「お子様のルリちゃんには早すぎるかな?」

そう言ってルリの目を塞いだ。

『もう遅いし//』

渚はビッチ姉さんの胸に押し付けられ、もうクタクタだ。

「後で教員室にいらっしゃい
あんたが調べた奴の情報聞いてみたいわ

ま……強制的に話させる方法なんていくらでもあるけどね

その他も!!有力な情報持ってる子は話に来なさい!
いい事してあげるわよ
女子きは男だって貸してあげるし」

武器を抱えた厳つい男が3人やって来た。

「技術も人脈も全てあるのがプロの仕事よ

ねぇ、テイラー?」

ルリに同意を求めるビッチ姉さん。

「ガキは外野で大人しく拝んでなさい

あと少しでも私の暗殺の邪魔をしたら

殺すわよ」

本物の銃で脅された3年E組。

──気絶するほど上手いキス

従えてきた強そうな男達

“殺す“という言葉の重み

彼女が本物の殺し屋なのだと実感した

……でも同時に

クラスの大半が感じたこと

この先生は……

嫌いだ!!──










ーー
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