暗殺教室

□テストの時間
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「さて、始めましょうか」

全校集会の後日何故か先生は分身していた。
別教室授業を続けていたルリも今日は本当の席に座っている。

「「「「「『(何を?)』」」」」」

ただ突っ込むしかなかった。

「学校の中間テストが追ってきました」

「そうそう」

「そんなわけでこの時間は」

「高速強化テスト勉強をおこないます」

本体と分身の連携プレーで喋った。

「先生の分身が一人ずつマンツーマンでそれぞれの苦手科目を徹底して復習します」

一人一人の目の前にそれぞれの苦手科目を書かれたハチマキをした分身殺せんせー。
だが、寺坂の目の前にはNARUTOだった。

「なんで俺だけNARUTOなんだよ!!」

「寺坂君は特別コースです
苦手科目が複数ありますからねぇ」

そして、ルリの目の前には

「ルリさんは五教科勢揃いです」

5人の分身殺せんせー。

『それ、、寺坂みたいにNARUTOにした方が……』

「…………はっ!!」

ルリに突っ込まれてやっと気付いた殺せんせー。

殺せんせーはどんどん速くなっている。

国語6人、数学8人、社会3人、理科4人、英語4人、NARUTO1人、全教科1人

クラス全員分の分身なんて、ちょっと前まで3人ぐらいが限界だった。


『うわっ!!』

勉強をしていたら殺せんせーの形が歪んだ。

「急に暗殺しないで下さいカルマ君!!
それを避けると残像が全部乱れるんです!!」

カルマが殺せんせーにナイフを刺そうとしていた。

「でも先生こんなに分身してて体力もつの?」

渚が尋ねた。

「ご心配なく
一体外で休憩させていますから」

「それ寧ろ疲れない!?」

外でジュースを飲みながら本を読んでいる殺せんせーが一体いた。

──この加速度的なパワーアップは……1年後に地球を滅ぼす準備なのかな

なんにしてもやっかいな暗殺対象で……

テストを控えた生徒には心強い先生だ──





──翌日

昨日は訓練があったため渚達とは帰らずに一人で急いで帰った。

その間に理事長が来ていたらしい。

それもあってか、殺せんせーの分身が大量に増えていた。

「さらに頑張って増えてみました
さぁ授業開始です」

「「「「「『増えすぎだろ!!

残像もかなり雑になってるし
雑すぎて別キャラになってねーか?』」」」」」

たしかに少し違う形の殺せんせーが見える。

「……どうしたの殺せんせー?
なんか気合い入りすぎじゃない?」

「んん?そんなこと無いですよ?」

授業が終わったら殺せんせーは“ぜーぜー“いって疲れきっていた。
その周りにはルリ以外が集まっていた。

「…………流石に相当疲れたみたいだな」

「なんでここまで一生懸命先生をすんのかね〜」

「…………ヌルフフフフフ

全ては君達のテストの点を上げるためです
そうすれば……」

殺せんせーの脳内にある嫌らしい考え。
妄想してニヤニヤと笑っていた。

「…………となって殺される危険もなくなり先生には良いことずくめ」

「……いや勉強の方はそれなりでいいよな」

「……うんなんたって暗殺すれば賞金百億だし」

「百億あれば成績悪くても人生バラ色出しさ」

勉強を諦めた様な言い方をする生徒達。

「俺達エンドのE組だぜ殺せんせー」

「テストなんかより……
暗殺の方がよほど身近なチャンスなんだよ」

「なるほど、よくわかりました」

殺せんせーが立ち上がった。

「?何が?」

「今の君たちには……暗殺者の資格がありませんねぇ」

殺せんせーは顔の皮膚をバツに変える。

「全員校庭へ出なさい
烏間先生とイリーナ先生とルリも呼んでください」

ドアから出ずに窓に手をかけて校庭へでる殺せんせー。

校庭に置いてあるサッカーゴール等を端の方によけている。

呼ばれた三人を含め皆が校庭へ出た。

「ルリさん
プロの殺し屋として伺いますが」

殺せんせーが振り向いた。

『ん??』

「あなたの訓練の内容は?」

『んー……
射撃、ナイフ術、空手に柔道に特別な体術、色仕掛け、精神統一、演技、罠の仕掛け方、水泳とか他にもいろいろ』

指折り数える。

「では、その訓練の中であなたが仕事の時によく生かせるものを3つあげてください」

『…………射撃、ナイフ術、罠の仕掛け方…………かな?
それ以外はおんなじように訓練はするけど生かすことは少ないかな……』

「では次にイリーナ先生」

殺せんせーはビッチ先生に振り返える。

「あなたはいつも仕事をするとき……用意するプランは1つですか?」

「……いいえ本命のプランなんて思った通り行くことの方が少ないわ
不測の事態に備えて……
予備のプランをより綿密に作っておくのが暗殺の基本よ

ま、あんたの場合規格外過ぎて予備のプランが全部狂ったけど
見てらっしゃい次こそ必ず「無理ですねぇ」」

殺せんせーに断言されて悔しそうに怒りを抑える。

「では次に烏間先生
ナイフ術を生徒に教える時……
重要なのは第一撃だけですか?」

暫く考えて言葉を発した。

「………………第一撃はもちろん最重要だが
次の動きも大切だ

強敵相手では第一撃は高確率でかわされる
その後の第二撃第三撃を……
いかに高精度で繰り出すかが勝敗を分ける」

「先生方とルリさんのおっしゃるように」

いきなり先生がくるくると周り始めた。

「自信を持てる次の手があるから自信に満ちた暗殺者になれる
対して君達はどうでしょう」

先生はどんどんと加速する。

「“俺らには暗殺があるからそれでいいや“……と考えて勉強の目標を低くしている」

もう先生の影しか見えないくらいになってきた。

「それは……劣等感の原因から目を背けているだけです
もし先生がここ教室から逃げさったら?」

強風を煽るほどに加速して全員吹き飛ばされそう。

「もひ他の殺し屋が先に先生を殺したら?
暗殺という拠り所を失った君達にはE組の劣等感しか残らない

そんな危うい君達に……
先生からの警告(アドバイス)です」

もうそれは竜巻と同等なレベルになった。

「第二の刃を持たざる者は……
暗殺者を名乗る資格なし!!」

E組の竜巻は本校舎からも見える程。
竜巻が止まると土砂崩れのように土や草が落ちてきた。

「…………校庭に雑草や凸凹が多かったのでね
少し手入れしておきました」

校庭はツルツルで綺麗になっていた。

「先生は地球を消せる超生物
この一帯を平らにするなど容易いことです

もしも君達が自信を持てる第二の刃を示せなければ
相手に値する暗殺者はこの教室にはいないと見なし校舎ごと平にして先生は去ります」

「第二の刃……いつまでに?」

渚がポツリと呟くように尋ねる。

「決まっています明日です

明日の中間テストクラス全員50位以内を取りなさい」

全員が口を開けて驚いた。

「君達の第二の刃は先生が既に育てています
本校舎の教師達に劣るほど……
先生はトロい教え方をしていません

自信を持ってその刃を振るって来なさい
仕事を成功させ恥じること無く笑顔で胸を張るのです

自分達が暗殺者であり……

E組である事に!!」










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