暗殺教室
□第1話
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少女は殺す事に戸惑いはない。
どうせいつか人は死ぬ。
そんなことわかりきっているから。
誰もが産まれたその瞬間から、死へのカウントダウンははじまっている。
それが少女の手によって少しはやまっただけの事。
いや、もしかしたら、それも神様に決められた運命(サダメ)なのかもしれない。
パァン
窓から月明かりの入る部屋に、銃声が1度だけ響いた。
1人死んだ。
驚いて振り返り声を出す前にもう1人も死んだ。
無駄な音を一切立てないソレは、いつ始まっていつ終わったのか本人にしかわからない。
ピチャン
滴る紅が、溜まった紅に落ちる。
溜まった紅がゆっくりとゆっくりと広がって行く。
スマホの画面がパッと光り、着信音が鳴った。
送り主はいつもの人物。
『…』
少女は無表情のままスマホを手に取った。
【暗殺依頼
ターゲット:超破壊生物(チョウハカイセイブツ)
暗殺場所:椚ヶ丘中学校3年E組
暗殺報酬:100億円】
『…ちょうはかいせいぶつ…?』
首を傾げながら画面をタップし、メールに添付されていた画像を拡大する。
画面に映し出された黄色いタコのような生き物に、少女は口端を吊り上げて笑みを浮かべる。
『…なーるほどね。おもしろそうじゃん』
少女はそう言って、ナイフから滴る血を服の裾で拭った。
窓から入る月明かりに、鮮やかな紅が照らされる。床に広がるソレも、壁に散ったソレも、少女に散ったソレも。
全部が全部、紅の血。
姓名不詳。
性別不詳。
年齢不詳。
容姿不詳。
多種多様な暗殺方法により、暗殺実績は不特定。
裏の世界での彼女の名は
「生体兵器」
ーー