暗殺教室

□第4話
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──僕等に与えられた任務は…来年までにこの先生を殺すこと。成功報酬は百億円!──


ルリが転校して来て2日目。

「ね、渚。杉野、今朝暗殺失敗したんだって?」

「うん。それからあいつすっかり元気なくてさ、あんなに落ちこむ事ないのにね。今まで誰も成功してないんだから」

杉野はHRが始まる前に得意の野球を使って暗殺を仕掛けたが、失敗してしまったらしく朝から溜息ばかりついて気を落としていた。


──殺せない先生。ついたあだ名が「殺せんせー」。──


そしてその日のうちに、スーツに身を固めた防衛省の烏間が部下を連れてE組の教室にやって来た。

「どうだ、奴を殺す糸口はつかめそうか?」

「無理ですよ、烏間さん」

「速すぎるってあいつ」

「今日の放課後の予定知ってる?ニューヨークまでスポーツ観戦だぜ。マッハ20で飛んでく奴なんて殺せねッスよ」

「…その通り、どんな軍隊にも不可能だ。だが君達だけはチャンスがある。奴は何故か君達の教師だけは欠かさないのだ。放っておけば来年3月、奴は必ず地球を爆発させる。削り取られたあの月を見ればわかる通り…その時、人類は1人足りとも助からない。奴は生かしておくには危険すぎる!!この教室が奴を殺せる現在唯一の場所なのだ!!」


──落ちこぼれクラスの僕等E組に与えられたのは…地球を救うヒーローになるチャンス。けどわからない。なんで先生が地球を爆破しようとしているのか、どうしてそんな時に…僕等のクラスに、担任としてやって来たのか…──













次の日も落ち込んでいた杉野は殺せんせーにアドバイスを貰い、自分に合った投球法の練習を始め、変化球を習得中だ。

殺せんせーがニューヨークに野球観戦に出掛けていた理由は、杉野の為だったらしい。

今は渚とキャッチボールをしている。

『へー、野球が得意なんだ…杉野くん?』

「うん、らしいね!私もここに来たばっかりで皆の事あんまり知らないから、今初めて知ったけど…」

『そうなんだ!じゃあカエデも転校生?』

「…んー、まぁそんな感じだよ」

『じゃあ、一緒だね』

「そうだね!」

サァっと吹いた風が、校庭で話す2人の髪を揺らした。








ルリはカエデの髪に紛れて揺れたものにまだ気付かなかった。

しかしソレに一番最初に気付くのはルリであった。








ーー
 

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