ONE PIECE

□Episode9
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「代金払えねェんなら
客じゃねェじゃねェか」

店中が興奮し始めた

客「いいぞコック!!」

「海賊なんてたたんじまえパティさん!!」

ぎゅるるるる……

クリークの手下のお腹が盛大になった

「オーオ腹の虫が泣いてるなァ海賊」

「……今のァ屁だよ……アホダヌキいいからメシを持ってこい」

「客じゃねェ奴ァ消え失せろ!!!」

「…………」

「ここは客があってのレストランだ!!!
金もねェ海賊なんかにゃ!!残飯だろうと食わせねェ!!!」

パティがクリークの手下を蹴りまくる

「……オエッ…………!!!」

フルボディは店を逃げ出した

「もういやだ……こんなレストランかかわりたくねェ」

「さーどうぞ"お客様"どもっ!!
食事をお続けくださーーい!!」

パティがクリークの部下にとどめをさした

クリークの手下はベランダに放り出された

ぎゅるるるるるぅ

ぐゆるる

お腹の音だけ虚しくなっていた
そのとき目の前にはチャーハンがおかれた

「食え」

クリークの手下はそれを見ると口に押し込んだ

「面目ねェ……!!
こんなにうめェメシ食ったのは……おれははじめてだ……!!!
………………!!!
面目ねェ面目ねェ!!
死ぬかと思った……!!
もうダメかと思った…………!!!」

サンジはにこりとわらい

「クソうめェだろ」

その様子をみていたルフィとマクルはにいっと笑い

「『いいーコックみつけたぞ!/た!』」

嵐前

「よかったなーお前っ!!
メシ食わしてもらえてな〜!!
しぬとこだったなー
はっはっはっはっは
おいコック!!お前仲間になってくれよ!!
おれの海賊船のコックに!!」

「「あァ!!?」」

ルフィとマクルはサンジ達のもとへ降りて隣へ座った

「ヘェ……
お前ら海賊なのか……!
何でまたこの店に砲弾撃ち込んだりしたんだ」

「あああれはな事故なんだ」

『そうそう正当防衛の流れ弾だよ!!』

サンジ「なんだそりゃ
………………なんでもこの店に妙なマネしねェこった
ここのオーナーは元々名のある海賊団のコックでね」

ルフィ「へーあのおっさん海賊だったのか」

「そのクソジジイにとってこのレストランは"宝"みてェなもんなんだ
その上あの男に憧れて集まったコックどもは全員海賊ばりに血の気の多いやつばかり
まァ海賊も往来するこの場所にゃうってつけのメンツなんだけどな」

「ほんと騒がしいもんなーこの店」

サンジ「まーなこれが日常だ
最近じゃ海賊とコックの乱闘を見にやって来る客もいるほどだ
おかげでバイトのウェイター達はビビって全員逃げ出したよ」

『へーだからわたし達に1年も働けって言ってるんだね
でもさぁ1年もここにいるつもりはないけど
この制服ぐらいサイズ合わせてくれたらいいのにブカブカだよ』

マクルはブカブカの袖をぶらぶらと揺らしてみせた

「まーいいや仲間になってくれよお前」

サンジ「それは断る
おれはこの店で働かなきゃいけねェ理由があるんだ」

ルフィ「『いやだ!!!断る!!!』」

サンジ「な………………何がだ」

ルフィ「お前が断ることをおれは断る!!
お前はいいコックだから一緒に海賊やろう!!」

サンジ「オイオイおれの言い分を聞けよ……」

ルフィ「理由ってなんだ?」

サンジ「お前に言う必要はねェ」

ルフィ「今聞けって言っただろ!!」

サンジ「おれがいってんのはおれの意見を聞き入れろってことだ!!三枚にオロすぞ
このクソ麦わら野郎!!」

ルフィ「何だと麦わらをバカにするとブッ飛ばすぞこの野郎!!」





二人はだんだん言い争いになってきた
マクルはぼっーとみていたが
クリークの手下が口を挟んだ

「話割ってすまねェが」

「「なんだ!!」」

「おれはクリーク海賊団の"ギン"って者なんだが……
あんたらも海賊なんだろ?
目的はあんのかい?」

「おれはワンピースを目指してる
"グランドライン"へ入るんだ!!」

ギンが"グランドライン"に微かに反応をみせた

ギン「!………………コックを探してるくらいだからあんまり人数揃っちゃいねェんだろ……?」

ルフィ「今こいつで6人目だ!」

サンジ「何でおれがはいんだよ!!」

「あんた悪い奴じゃなさそうだから忠告しとくが……"グランドライン"だけはやめときな
あんたらまだ若いんだ
お嬢ちゃんなんてまだまだ子供だろ?
生き急ぐことはねェ
"グランドライン"なんて世界の海のほんの一部にすぎねェんだし
海賊やりたきゃ海はいくらでも広がってる」

ルフィ「へーそうか……
なんか"グランドライン"について知ってんのか?」

ギンの顔色が変わった

「…………いや何も知らねェ
…………何もわからねェだからこそ恐いんだ……!!」

「あのクリークの手下ともあろう者がずいぶん弱気だな」

ルフィ「『クリークって?』」

ルフィとマクルは首をかしげた

サンジはギンに小舟をあげた

ルフィ「じゃあな」

ギン「ただ忠告だけはしておきたかったんだ」

ルフィ「でもおれはいくぞ"グランドライン"!」

「はは……ああ……あとは好きにしな
他人のおれにあんたの意志をとめる権利はない……
マクルも船長しっかりサポートしてやれよ」

『うん!任せといて!』

「それにサンジさん……
本当にありがとうあんたは命の恩人だよ……
あのメシは最高にうまかった
また食いに来ていいか?」

ギンが満面の笑みを向けた

「いつでも来いよ」

そのとき上から怒鳴り声が聞こえた

「コラ雑用小僧供!!そこにいたか!?」

「げ!!おっさん!!」

『わ!オーナーのおじちゃん!!』

「…………」

ゼフはきれいに食べ終わった皿を見た

サンジ「行けよギン……」

ギン「ああ……わりィな怒られるんだろ……
おれなんかにただでメシ食わせたから」

「なーに……」

もらったお金を巾着に入れて腰のベルトにさげた
そしてその巾着本体はズボンのポケットにいれた

『これで邪魔にならない!』

マクルが広間にでると店のなかにいる全員が窓の外をみて怯えていた
外にはボロボロで巨大なガレオン船
そして扉がいきなり開いた

「…………は……?」

皆の視線が扉の方へいき客がどよめく
入ってきたのは……

「すまん……水と……メシを貰えないか……金ならあるいくらでもある……」

息も荒く掠れた声で今にも餓死してしまいそうでギンに立つことを手伝われた
首領・クリークだった

「な………………」

「なんだありゃ……威厳も迫力もねェあれがクリークか?」

「ハラへってるみたいだな」

「どういうこった……」

『ごはんあげないの?』

ドサ……!!

食べ物を持ったサンジがパティを蹴り飛ばした

「ほらよギンそいつに食わせろ」

「サンジさん!!」

「「「「「「「!」」」」」」」

「すまん……!!」

ガツガツとご飯を口に運ぶ

「おいサンジ!!すぐにそいつからメシを取り上げろ!!!てめェそいつがどういう奴だかわかってんのか!!?」

クリークは"騙し討ちのクリーク"と呼ばれる下道な海賊だった

ゴン!!

「「「「サンジ!!!」」」」

サンジはクリークによって吹き飛ばされた

「は……話が違うぞ!!首領クリーク!!!この店は絶対手を出さねェって条件であんたをここへ案内したんだ!!
それにあの男はおれ達の命の恩人だぞ!!!!」

「ああうまかったよ生き返った気分だ……」

ギンの肩から嫌な音がする

「『ギン!!』」

店中が悲鳴をあげる

「そうきたか……」

「いいレストランだこの船をもらう」

海賊艦隊提督"首領・クリーク"

「言わんこっちゃねェ!!
これがクリークなんだ!!!この船をもらうだと!!?」

客はみな裏口から逃げていった
肩をおされるギン

「おいギン!!大丈夫か!?」

「ウチの船はボロボロになっちまってな
新しいのが欲しかったんだ
お前らには用が済んだらここを下りてもらう
今船に息のある部下どもが約百人
空腹と重傷でくたばってる
あいつらの水と食料を百人分まず用意してもらおう
既に餓死者もでてる早急に出せ」

「この船を襲うとわかっている海賊をあと百人おれ達の手で増やせってのか……!?断る!!!」

「断る……?勘違いしてもらっちゃ困る
おれは別に注文してるわけじゃねェ
命令してるんだ
誰もおれに逆らうな!!!」

ギョロリと恐ろしい表情で命令され
店員はビクリとする

「サンジさんすまねェ……
おれは……こんなつもりじゃ……」

『自己中にも程がある!』

「てめェは……!!なんて取り返しのつかねェことしてくれたんだ
………………!おいどこへ行くサンジ!!」

「厨房さ
あと百人分メシを用なきゃならねェ」

店員が驚きクリークは満足気だ

ガチャ

「!」

店員にかこまれさらに銃を向けられる

「てめェはクリークの回し者かよサンジ
厨房に入られるわけにはいかねェ
お前のイカレた行動にはもう付き合いきれねェ!!」

「いいぜおれを止めたきゃ撃て
わかってるよ……
相手は救いようもねェ
悪党だってことくらい……
でもおれには関係ねェことだ
食わせてその先どうなるかなんて考えるのも面倒くせェ………………
食いてェ奴には食わせてやる!!!
コックってのはそれでいいんじゃねェのか!!!」
ドゴッ!!
パティに殴られる

「抑えとけ

サンジお前はおれが追い払った客にたまに裏口でメシをやってるよな
おれとお前のどっちが正しいとは言わねェが
今回のこれはてめェのミスだ!!
これ以上余計なマネはするなおれはこの店を守る!!

幸い敵はまだ一人"首領・クリーク"と言えど
このおれ達を相手に何ができる!!

ここは日々海賊うごめく海上レストラン
どんな客だろうと接客の準備は万端よ!!!

食後に一つ鉄のデザートを食っていけ

食あたり砲弾(ミートボール)っ!!!!」

「小癪」






ボゴォン!!





撃たれた玉がクリークを吹き飛ばす

「首領っ!!」

扉ごと外へ吹き飛ぶ

「まいったな扉壊しちまった……オーナーにどやされるぜ…………」

「なに店を守るためだ小せぇ被害さ……」

「クリークの船に残った連中をどうするつもりだよ……」

「さァな船にバターぬって火でもつけるか…………」

「そいつァうめェんだろうなへぼコック……!!」

「バカな………」

吹き飛ばされたはずのクリークが立ち上がっていた
体は金色の鎧で光っている

クリーク「クソマズいデザート出しやがって
最低のレストランだぜ…………」

「体が……金ピカだ……!!!」

『重たそうだね……』

「……鋼の鎧とはくだらねェ小細工を……!!
たたみかけろ!!!」

「「「「オオッ」」」」

パティの声を合図に店員が武器を片手に走り出す

「うっとうしいわァ!!!!」

ドガガガガガガガ

「「「「「うわあああ!!!!」」」」」

鎧から銃弾が乱射され店員達のあちこちを撃ち抜く

「体中から…………」

「弾丸が……」

『……酷い……』

「………………!!」

見ていられないのか手で目を覆いつつ頭を抱える

「虫けらどもが……このおれに逆らうな……!!
おれは最強なんだ!!!!
誰よりも強い鋼の腕!!
誰よりも硬いウーツ鋼の体!!!
全てを破壊するダイヤの拳!!!!
全身に仕込んだあらゆる武器!!!」

『うっさい!!!』

「「「「!?」」」」

クリークの雄叫びのような声を遮り高い声が響き渡る

『誰があんたにご飯をあげようが関係ないっ!!
けどうっとうしいのはあんただよ』
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