中編

□新たな地方へ
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無事フキヨセシティから飛行機に乗ったルーシェ、そして約一日かけてシンオウ地方のトバリシティへと辿り着いた。
時刻は午後一時、飛行機が飛行場に着いたのを確認しルーシェは眠っているティナを抱えて外へ出る。

「やっと着いた……やっぱり、長時間座ると疲れるな」

そう呟きながら飛行機に乗る際に預けた荷物を取り、リュックから紺色のコートを出して着る。
シンオウ地方は冬になると雪が沢山降り、春になっても雪が溶けにくい気候だと話には聞いたことがある。
季節は春だが吹く風はまだ冷たい、薄着では風邪をひくだろう。

「さてと、今日はこの街で泊まって明日から出発しますか。何処に向かえば良いかも分からないし、とりあえずポケモンセンターへ行こう」
「ティニ!」

飛行機の中では眠っていたティナも起きたので、頭に乗せて歩き出す。
まずはポケモンセンターに向かい宿泊の手続きをしなければならない。
その後は部屋に荷物を置き、ショップへシンオウ地方の地図を買いに行く予定だ。
初めての地方で地図がなくては困る。
ルーシェはボールからイーブイとジュビアを出し、ポケモンセンターを探して街の中を歩き始めた。


トバリシティのポケモンセンターへ着き宿泊の手続きを終え、部屋に荷物を置くとルーシェ達はショップへ向かう。
ショップを探して歩いていると、ポケモンセンターの近くに大きな建物があるので気になり近付く。
それはデパート、トバリシティにあるトバリデパートであった。

「デパートか……色々揃ってそうだし、折角だから傷薬とか多めに買おうかな」

デパートに入り傷薬を数個とモンスターボールを一個、ポケモン達のおやつ用にクッキー、そしてシンオウ地方のガイドマップを買い終えルーシェ達はデパート内を歩く。
周りで買い物をしている人はルーシェ達をチラチラ見ており、ティナはそれが気になるのか落ち着かない。
ルーシェが持つビクティニとアギルダーはシンオウ地方では珍しいのだろう。
こう見られていては疲れてしまうと思い、

「何処かで休もうか、人が多い所だと見られて落ち着かないでしょ?」

そう三匹に言いデパートの最上階にある休憩スペースに移動する、幸い人はあまりいなかった。
喉も渇いたので何か自動販売機で買うことにした。
種類はおいしい水、サイコソーダ、ミックスオレだ。

『ティナは何が良い?』
[サイコソーダ!]
『イーブイとジュビアは?』
[私はおいしい水を]
[俺も水……ルーシェは?]
『私はミックスオレ、じゃあ水から買うよ』

ティナ達から何が飲みたいのかを聞き、自動販売機でおいしい水から買っていく。
おいしい水を二つ買い、サイコソーダを買い終わった時だった。
ガコンッ、と音がしサイコソーダがもう一つ出てきた。

「あっ……当たった」

自動販売機は運が良いと、飲み物がもう一つ出てくる"当たり"がある。
極希に二つ目が出てくる大当たりもあるらしい。

「ミックスオレのつもりだったんだけど、まあいっか」

ルーシェ達は近くのベンチに座り、飲み物を飲みながらしばらく休憩した。
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