中編

□旅立ち
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朝ごはんを食べ終えると、そこへキッチンから戻ってきた母親がルーシェへと言う。

「そうそう、さっきルーシェ宛ての手紙が届いたわよ」
「手紙?」

母親から渡されたのは一通の手紙。
差出人はルージュと書いてあった。

「ルージュからなんて珍しい……」

ルージュはホウエン地方に住むルーシェの従姉妹で、彼女にとって姉のような存在でもある。
連絡は専ら電話でする為、ルージュが手紙を送るのはかなり珍しいことだ。

(手紙ってことは、何か入ってるのかな?)

封筒の中身を開けてみると、手紙と共に一枚の写真が入っていた。
その写真にはある風景が写っている。

「これ……どこだろう」

写真には雪原が写っており、見た感じイッシュ地方ではないようだ。
気になった両親もその写真を見る、すると父親が言った。

「これは……シンオウ地方じゃないのか?」
「シンオウ地方?」

父親の話では、ルージュの住むホウエン地方では雪が少ないらしく雪原で思い当たるのはシンオウ地方らしい。
しかし何故その写真が入っていたのか、手紙を見てみると……

『シンオウ地方のキッサキシティにある神殿とホウエン地方の遺跡に関連があるらしく、調べに来たついでに写真を撮ったので送る』

と書いてあった。

「シンオウ地方か……」

ルーシェは写真に釘付けになっていた。
足元にいたティナもルーシェの頭に乗り共に写真を見ていた。
それを見ていた両親は互いに顔を見合わせる。

「ルーシェ、少しいい?」

母親に言われ両親を見るルーシェとティナ。

「本当は旅に出たいんだろう、行ったっていいんだよ?」

父親にそう言われても、ルーシェは迷っているといった表情をする。
母親もルーシェの肩に手を置いて言う。

「行ってみたいなら、行かないと後悔するわよ?ルーシェはどうしたいの?」
「私は……」
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