中編
□旅立ち
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ルーシェは両親に言う。
「私、旅に出たい。どこに行くかは決まってないけど、色んな物見てみたいの。一人で旅をするのは不安だけど……」
「ルーシェなら大丈夫よ、ちゃんとやれるわ」
「心配いらない、それに一人じゃないぞ?ポケモンがいるじゃないか!」
両親に言われて、ようやく笑顔になるルーシェ。
「そうだね、ポケモンと一緒なら大丈夫だね」
頭の上のティナも大丈夫だと言うように笑っている。
「そうと決まったら、さっそく準備しないと」
ルーシェは部屋に戻り、旅に出る準備を始めた。
準備に取り掛かるルーシェ、白いリュックサックに荷物を入れていく。
着替えと野宿用に毛布を一枚、万が一に備えて救急箱も入れる。
ポケモンフーズは旅立つ日に買えばいいだろう。
そして寒い地方に行った時も考えコートも入れ、準備も一通り終わった頃。
「入るわよ、ルーシェ」
母親が大きめの紙袋を持って部屋に入ってきた。
そしてそれをルーシェに渡す。
「これ、着ていきなさい。あなたの為に買っておいたの、折角だし服も新しくしないと!ね?」
紙袋には新品の服や帽子、ブーツが入っていた。
どれもサイズはぴったりだ。
「明日、行くのかしら?」
「そうね……早い内には行きたい。シンオウ地方のキッサキシティ、写真の場所を見てみるつもり。でもそれを見た後の目的地は決まってない」
シンオウ地方には行ってみたいので、まずはそちらに行くつもりではある。
しかしその後の目的地は決まっていなかった。
「折角だから、そのままホウエン地方に行ったら?確かホウエン地方行きの船がシンオウ地方のどこかの街から出てるはずだけど……」
母親はそう言い、フキヨセシティの空港から出る飛行機を調べる。
貨物の定期便が多いが、最近は少しではあるが他の地方へ向かう便もある。
調べた結果、シンオウ地方のトバリシティと言う街へ行く飛行機があった。
「じゃあ、それに乗って行くよ。ありがとう、お母さん」
そこからの目的地はまたゆっくり考えれば良いだろう、今はこれから向かう場所のことを考えよう。