中編
□新たな地方へ
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全員が飲み物を飲み終えると、デパートを出てポケモンセンターへ戻る。
時刻は午後四時半、少し早いが部屋に買った物を置き食堂へ向かおうと思った。
ポケモンセンターに入ると、ロビーにある大きなテレビの前に大勢の人が集まっていた。
何を見ているのかと思い、ルーシェはテレビを見ている一人の男性に聞いてみる。
「シロナさんのバトルを見てるんだ!シロナさんはシンオウ地方のチャンピオンで、この地方で知らない人はいないぜ!」
聞けば一昨日ヨスガシティという街でバトル大会があり、その優勝者はチャンピオンであるシロナと戦うことが出来たらしい。
その時のバトルを見逃した人の為に放送しているようだ。
少し興味があったのでルーシェ達もテレビを見てみることにした。
テレビに映るのは茶髪の青年と金髪の女性、見ている人の反応からチャンピオンは女性のようだ。
戦っているポケモンはグレイシアと、岩で出来た大きな蛇のようなポケモン、イワーク。
見るに、一対一のポケモンバトルらしい。
チャンピオンのシロナが使っているのはイーブイの進化系であるグレイシア、なのでルーシェのイーブイも興味があるらしくテレビの前で画面に釘付けだ。
イワークはいわなだれ、アイアンテールといった技で攻めていく。
しかしグレイシアは華麗に全ての技を避けて、シャドーボールで反撃する。
シロナはイワークがシャドーボールに怯んだ隙を見逃さず、グレイシアがれいとうビームを放つとイワークは凍ってしまい動けなくなる。
「凄い……流石チャンピオン、動きに無駄がない」
イワークのトレーナーの青年は焦ってしまい冷静さを失っている、グレイシアは追い討ちをかけるように再びシャドーボールを放つ。
そしてそのままイワークは倒れ戦闘不能となり、勝者はチャンピオンのシロナとなった。
バトルが終わるとテレビを見ていた人は移動する、ルーシェも部屋に戻ろうとするがイーブイはテレビの前から動かない。
「イーブイ……行くよ?」
イーブイを抱き抱えて部屋に戻ろうとするが、イーブイは腕から抜け出し再びテレビの前へ。
何か気になることがあるのかと画面を見れば、チャンピオンのシロナとグレイシアが映っている。
「分かった、終わるまで待ってるわ」
バトル番組が終わるまで動かないだろうと思い、ルーシェはテレビの前のソファーに座り一緒に見ることにした。