中編

□新たな地方へ
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イーブイはテレビを見続けている、何か興味を示すものがあったようだ。
現在、テレビではシロナさんへのインタビューをやっている。
どうやら、しばらくイッシュ地方に滞在するらしい。
向こうで開かれるバトル大会にもゲストで出るらしく、それについて話していた。
シロナの足下にはバトルで使用していたグレイシアがいる、イーブイはグレイシアが気になるらしい。

「気になるの?」

イーブイに話し掛けてみるが反応はない、ここまで夢中になるのは珍しいことだ。
待っている間、ティナはお腹が空いたのかデパートで買ったクッキーをルーシェの膝の上で食べており、ジュビアはルーシェの隣に座り瞑想しているのか目を閉じていたのだった。


テレビが終わったのは五時半。
インタビュー後にバトルのダイジェストが始まり、イーブイはそれも真剣に見ていた。
そして満足した顔でルーシェの足下へ戻ってきた。

「終わったのね、じゃあ部屋に荷物を置いて晩御飯にしましょう」

ティナは頭に乗り、ジュビアはルーシェの代わりに荷物を持ち、ルーシェはイーブイを抱えて部屋に戻る。
そして荷物を置き、ポケモンセンター内の食堂へ移動する。
ポケモン達にポケモンフーズを用意し、ルーシェはオムライスを頼み空いていた席に座り食べ始める。

『……あれ、イーブイ。全然食べてないけど、どうしたの?』

ルーシェはイーブイのお皿に乗ったポケモンフーズが、食べ始めから減っていないことが気になりテレパシーで問い掛ける。

[別に……何でもない]
『悩み事?話してごらん、そしたら楽になるよ』

イーブイが「何でもない」と言う時は何か悩んでいる時だ、なのでルーシェはそれに気付いて問い掛けた。
するとイーブイは必死な声で言った。

[……俺、グレイシアに進化したい!さっきのバトル、凄く格好良かった……あんな風になりたい、だからルーシェ!俺……]

イーブイの話し終える前にルーシェはイーブイを抱き抱え、そして優しく撫でながら言った。

「そう言ってくれて嬉しい、私は始めからイーブイには自分の好きな姿に進化してもらうつもりだったの。私はサイキッカーで、手持ちにエスパータイプを最低でも二体は必要。もしかして、私がエスパータイプのエーフィにすると思ってた?」

その言葉に黙り込むイーブイ、どうやら図星のようだ。
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