中編

□新たな地方へ
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翌日、目を覚ましたルーシェはポケモン達を起こさぬように着替えて身支度をする。
時刻は午前七時、食堂が開くのは一時間後なので開くまでベッドに座りマップを見ることにした。
これから向かうキッサキシティへのルート、そしてイーブイが進化する為に氷に覆われた岩も探さなくてはならない。

[ルーシェ……]
「イーブイ、起きたの?あっ、折角だしブラッシングしようか」

ルーシェはブラシを取り出しイーブイを膝の上へ、そして優しくブラッシングを始める。
頭、耳、体、そして尻尾とブラッシングをし、終わるとイーブイは満足そうに尻尾を振る。

「また今度してあげるね、時間はそろそろかな……」

時計を見ると七時半過ぎ、丁度ティナとジュビアも起きたので移動の準備をする。
リュックを背負い部屋を出て、鍵を返しにポケモンセンターのロビーへ向かう。

その途中で大きな鏡の前を通った時だった。
鏡の中に波紋が生じたように見えた、一番後ろにいたティナだけがそれに気付いて鏡を覗く。
一瞬だが大きな影が動いた気がしたので、ティナは鏡を触ってみるが特に変化はない。

『ティナ、どうしたの?』
[何でもない、今行くー!]

ティナは気のせいだと思い、ルーシェのところへ飛んで行く。
しかしルーシェ達が去った後に鏡に大きな波紋が生じ、そして消えた。


ロビーに鍵を返し、食堂で朝食も食べ終えたのでジョーイさんにキッサキシティへの道のりを聞く。

「キッサキシティに行くには、ここから北東にあるカンナギタウンからテンガン山を北に進むと雪原に入るわ。そこから更に北に進めばキッサキシティよ」
「そうですか、ありがとうございます。それともう一つ聞きたいことが……」

ルーシェはイーブイが進化する為の、氷に覆われた岩の場所を聞いてみた。

「多分キッサキシティに向かうの途中にあるとは思うけど、詳しい場所は分からないわ」

岩は雪原の何処かにあるらしいが、その場所までは分からなかった。
地図に載る物でもないので、自分で探すしかないだろう。
しかしこれから向かう場所の近くなので、遠回りせずに済みそうだ。

「ありがとうございます、ジョーイさん」

ジョーイさんにお礼を言い、ルーシェはポケモンセンターを出る。
マップをコートのポケットに入れ、街の出口へとやって来た。

「よし……行こう、皆!」

そしてルーシェ達はトバリシティを出発した。



(初めてのシンオウ地方……)
(新たな地方の旅が始まる)


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