刻の学園

□なまえ。
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「……っ!!」

校長室。
来賓用のソファーの上で青年は頭を押さえる。
「……どうしました?」
青年のすぐそばにいたオーギュスト校長は青年のその様子を心配する。
青年は暫く頭を押さえていたが、首を横に振りながら、頭を押さえていた手を外す。
「…いえ、なんでもないです。」
そう言いつつ、何処か不思議な雰囲気を持った薄い微笑みを見せた。
オーギュストは「そうですか。」と、その微笑みに安堵したような笑みを返しつつ、手元の資料をパラパラと捲った。
「では、貴方の名前をもう一度教えてください。」
「――。」
「そうですか。では、――先生。貴方は今日からここの一教師です。生徒達のことを、よろしく頼みましたよ。」
オーギュストの言葉に、青年は微笑みを返した。

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