刻の学園
□転校生sideL
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私は一つの依頼書の前で立ち止まっていた。
「生徒会長ちょっと来い」
怖い。
怖くて足がガクガク震えている。
―――コゴロウ先生ですし、言い方怖いですし。
どうしましょうか、と首を傾げる。
「ああ、それ?コゴロウ先生からの呼び出しみたいだね。レイ、何かやったの?」
後ろにいつの間にかマーチンさんが居た。
何もしてないですよ、と言おうとした口を塞がれる。
「待って待って。今当てて見せるから!! えーっとね……。」
なにやら当ててくれるらしい。
ちょっとワクワクしながら待つ。
「むむむ。さては、レイ。この前音楽室の花瓶を割ったのはキミだね!!」
私は激しく首を横に振った。
「違います違いますやってませんよ!!」
「あははっ。うん。それは知っていた。あの犯人、ネロとドロワだしねー。」
「もう、焦らせないでください…」
マーチンさんは笑顔だ。
「それじゃ、なんで呼び出されたのか、後で教えてねー。」
と、送り出してくれる。
どうやら緊張をほぐしてくれたらしい。
少しだけ、足の震えが取れていた。