刻の学園

□転校生と兄。
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塹壕オブリオン――

入口では生徒達が集まって準備運動していた。
「大混雑だな…良かったな、俺たち大平原オリジンで準備運動してて。」
な?とアランが私達の方を振り向く。
けれど、それで元気良く返事したのはモーリアさん位だ。
「アレで準備運動とか…ふざけてんの…アンタ…?」
ミノリは息が途切れ途切れと言った状況だ。
そして私はそんなミノリの背中の上で意識朦朧としていた。
「……コゴロウのよりはマシだろ?」
遠い目をしながら言う。
どうやらアランはコゴロウ先生との授業をしている内に感覚が麻痺してしまったらしい。可哀想に。
女子生徒の1人…いえ、アンさんが「イッチば〜んっ!!」と、駆け出そうとした瞬間。
アランとモーリアさんがクラウチングスタート。
その隣を物凄いスピードで掛けて行った。
「…アイツら波長がおんなじなのよ波長が。」
「で……すね…」
そういいつつもミノリも私を抱えたまま、固まったアンさんの隣をアランに劣らぬスピードで駆け抜けていった。


―――申し訳無い。
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