遠い日の約束〜完結〜
□四章
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「…?おーい」ヒラヒラ
「…あ!!わりぃ!!」
慌てて再度彼女の方へ向く。
「「!!」」
思いの他お互いの顔が近いことに驚く二人だが、マダラはまた顔を反らす。
「マーダーラ、耳赤いよ?寒いの?」
「ちげーよ!!誰のせいだ!誰の!」
「甘いお団子欲しくなったな〜」
「聞けよ!!ゴルァ!!」
ギャーギャー騒ぎ、疲れた二人は川岸へと近づき、川を眺める。
「マダラはこの川によく来るの?」
「あー、そうだな…戦がなかったらな」
「戦って?」
「は?戦は戦だろーが…知らねーのか?」
コクン
「……お互い利益のために相手を殺すのさ。
もちろん利益だけじゃなく、仇をとるため、守りたいものを守るため、殺されないために殺す、やってやられての繰り返し…憎みの連鎖が戦いを生む 」
マダラを見ると抱きしめたくなった。
まるで、泣くのを我慢している幼子のようで、胸が締め付けられた。
「私は戦ってわからない…どんなにつらく苦しいのかもわからない…
だから、マダラの気持ちがわからない…わからないけど…
少しだけでもわかりたい… 」
マダラが顔をあげると、綺麗なエメラルドの瞳が真っ直ぐマダラを見ていた。
やよいは川の上を裸足で歩く。
「!?…お前」
チャクラがなく、やよいを一般人と思っていたマダラは驚愕した。
やよいは水をすくい、それは手のひらで球体になりキラキラと転がす。
水遁かとマダラは思った。
やよいはその水を上に投げ、両手をぱんとく組み合わせる。
水は弾け、しかし細やかな球体となりマダラとやよいにキラキラとふりそそぐ。
綺麗だ
マダラは思った。その光景も綺麗だが、その中にやよいが微笑み、はしゃぐ姿に魅了された。
その時「おーい!!マダラ〜!!」「「!」」