遠い日の約束〜完結〜

□十章
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やよいはいつにも増して体調が良くなかった…
先日、マダラに続いて柱間の修業の相手をして満身創痍なのもあるが、もっと厄介な事が体に起こっていた。
出血をしていたのだ。誰しも女ならなる月のものでわかるのだか、やよいは生まれてこのかた、教えてもらえる人間が居なかった。だから分からなかった。
自分は病気なのかと不安になり、柱間やマダラに聞いてみようと思い立ち上がり向かった。

ふらふらしながらいつもの道を歩いてみると、マダラがいた。走って「マダラ!」と後ろから抱きついた。
バランスが崩れ二人は倒れこんでしまった。
「…痛いし…重いんだけど…」
マダラの声じゃなくてびっくりし、体を浮かせると、更にびっくり…
「あなたは誰?」
マダラに良く似た男の子がいた。少し髪が長く、幼さの残った顔立ちだったが、マダラそっくりでやよいは固まった。
「君…兄さんといつもいる人だよね」
疑いながら、警戒しながら訪ねる。
「やよいだよ。さっきはごめんね!」
「イズナ…もういいよ」
イズナはやよいの様子やチャクラから大丈夫だと思い警戒を解いた。

「ねぇ、今からマダラ達のとこに行くんだけど一緒にどう?」
「…僕はいい…」
「そっか…じゃ今から友達になろう!」
「……」
「イズナ君は難しいね」やよいは困った顔でクスリと笑った。

「…今のこの時代、すぐ人を信用することなんてできない」
「何で?」
「どこで恨みを買ってるかわからない。今日の味方が明日の敵になることもあるから…」
「…そっか…」
やよいはイズナを見てそれしか言えなかった。
イズナの目が、あんまりにも悲しそうだったから…
「イズナ!!あのね、私達夢があるの!!」
イズナは怪訝な顔をした。
「里を作るの!誰も苦しまない、戦いもない平和の里を作るんだ!!」
やよいは笑顔でイズナに話す。
「…ふふ、やよいは何も知らないからそう言えるんだよ」
やよいがムッとし「何が?」と言った。
「やよい家族いる?家族の誰かが相手に殺されて平気でいれる?友達も目の前で殺されたら相手を憎まずにいれるの?無理だよね?相手が憎くてたまらなくて、同じ目に会わせたいって思うでしょ…」

そんなの一生叶いっこない…

やよいは二人の顔が浮かぶ…
マダラが柱間が殺された時、私は…
どう思うだろうか…

イズナの言う事もわかる。
でも…

「それでも…私達の夢は誰にも譲れないんだ…」

「じゃあ、その夢を叶えてみせてよ…出来るならね」
イズナはその場を去ろうとしたが、やよいに腕を捕まれた。
「何?」
「もし、もしその夢が叶ったら、イズナもその里にいてくれる?」
「…考えとくよ」
イズナの初めて見せた柔らかい表情にやよいは決意をかためた。

イズナの顔にできた傷を触り、治すとイズナは驚いた。
礼を言い、お互い別れたが、イズナは大切な事を言い忘れた。
「月のものが見えてるって教えてあげたら良かった…」まいっか…兄さんが教えるかもだし…
イズナは父に兄ややよい、もう一人の男の事を報告しに行った。

その頃…
「やよい!!ついに月のものがきたか!!めでたいな!マダラ赤飯「アホか!!」!?Σガーン」

落ち込む柱間を放っといて、マダラは頭を抱えながら、やんわりやよいに説明した。マダラも顔真っ赤だった。
やよいもようやく理解し、そして恥ずかしくなり顔を赤くしながら、影で処理をした。
「やよいも大人になっていくんだな〜
嫁か〜」
「柱間…やよいは駄目だ…」
「マダラも好きなのか?」
「…だー!知るかよ!!てめーはいちいちうるせぇー!!」
柱間とマダラは取っ組み合っていた。

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