遠い日の約束〜完結〜

□十一章
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ーー!

ーーー!

ーーさま!

幼い手が前にいる人を掴もうとする
手を伸ばされた人はしゃがみその子を抱っこする。
すごく嬉しくて大好きなのだ。
髪はツンツンと長いが一つに束ねられていて。耳元の髪もきれいに束ねられていた。
大きな手に安心する匂い。

ー ーは甘えただな…
顔は見えないが、笑っているとわかった。

兄上はーーに甘い!!ともう一人の男が拗ねたように言った。
兄と呼ばれ私を抱っこしている男の人によく似ていた。髪は短髪で耳元の髪は同じく束ねられている。

兄と呼ばれた人は笑っていた。
しかし二人の顔がよく見えない…

もっとみたい…もっと

「兄さま…」
やよいは目を覚ました。涙が流れていた。会った事もないのにひどく懐かしく思った。
「…誰なんだろう…」
マダラや柱間に会ってからよくこの夢を見るようになった気がする…

やよいは体をおこした。

いつもの場所ではマダラと柱間が組み手をしていた。二人は本気だった…その姿を見てやよいは、自分はまだまだ二人に届いてないのをあらためて思い知った。

「やよいー!体調はよくなったのか?」
組み手が終わり柱間とマダラは駆け寄る。
「ありがとう!!大丈夫だよ!」
「やよいなんかあったのか? 」
「…マダラ…柱間…」
やよいはこれまで見てきた夢を話した。
「俺はそんな夢みたことねーな…」
「俺もぞ…」
「ねぇ…柱間とマダラは兄弟いるの?」
柱間は「いるぞ!いまは二人!!」
マダラも「俺もだ」といった。
前はもっと居たんだ…死んだけどな…
「ごめん…」
柱間とマダラはやよいに向き直り、
「でも、どんなことあっても、その弟だけは守ってみせる」
柱間とマダラの思いがやよいの心にすっと入ってきた。
やよいはマダラに良く似たイズナを思い出し、彼を羨ましく思った。
柱間の弟にも会ってみたいなと思った。
やよいは兄弟ほしーなと呟いた。
「兄弟は難しいだろうけど…家族とかならなれるかもな…」
マダラを見ると、顔を赤くさせながら、目を横に反らし頭を掻いていた。
「マダラ…抜け駆けは駄目ぞ…」
「てめー!!後ろ立つなってんだろが!!」

「家族か…いいかも」
「「!!?」」

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