遠い日の約束〜完結〜

□十三章
1ページ/1ページ

早く目が覚めたやよいは支度を終え、川に行った。顔を洗っていたら、足下に紅と緑の綺麗な透き通った石が落ちていた。
紅は丸く、緑は細長かった。
「…マダラと柱間にあげよう♪!!」
やよいは大切にポケットにいれ、柱間やマダラと一緒に食べる果実を取りに行った。

いつもの場所で待っていたらマダラがやってきた。
「マダラ!!おはよう!!……??マダラ?」
いつもより顔色が悪いマダラがいた。
「…やよい…」
やよいには助けを求めるような、すがり付くような声に聞こえた。
「マダラ…どうしたの?」
落ち着かせるように、背中を優しく擦りながら聞いた。
マダラが口を開こうとした…
「マダラ。やよい。」
向こうから柱間がきた。
柱間も顔色があまり良くなく、ぎこちない顔だった。
柱間と声かけて行こうとしたのをマダラに止められた。
「マダラ?」
「挨拶がわりに水切りといこーぜ」

柱間とマダラはお互いのところに石を投げ、お互いその石を手にした。

ーにげろ
ー罠あり、去れ

やよいも覗き込み、三人は驚愕した。

「柱間、すまねー。急な用事ができちまってよ…」
「そうか…なら俺も帰るとしよーぞ」
「やよいも急いで帰れ…」
やよいはマダラの小さな声がはっきり聞こえ、頷く。
三人はその場を忙しいで離れた…

やよいはいくつもの水音が聞こえ、振り返ると、子供二人が対峙しあっていた。
やよいは急いで引き返した。

間に合って…!!

大人も子供も相手を殺すため本気だった。大人は相手の子供に向け、鋭利な刀やクナイを素早くなげた。

キキィン

イズナと扉間の前に透明の結晶が現れ、それらを弾いた。
イズナや扉間はもちろん、その場に居た全員が驚きやよいを見た。
やよいはイズナと扉間の間に入って開いた手のひらからは結晶が少し出ていた。
やよいも無意識だったのか驚いていた。
「弟を傷つける奴は誰だろうと許さね!!」
「それはこっちも同じぞ!」
お互い弟を庇い、三人見合わせる形になった。
「柱間…やよい…所詮俺達の絵空事は届かねーのかもな」
「マダラ!!?何言ってるの!?」
「お前本気じゃねーよな!?お前も俺と同じ「お前は千手」」
「短かったが…楽しかったぜ…」

待って…

「今度会うときは戦場で会おう」

いかないで……

「俺はうちはマダラだ…」

マダラの目が紅くなっていた。
立ち去ろうとするマダラに背中からしがみついた。
「離せ…」
今まで聞いた事ないマダラの冷たい声に怯みそうになる…
「離さない!!私たちは三人で一つよ!?マダラ!!いかないで!!お願い!」
「やよい…」柱間の顔が歪む
「お願い!……いかないで…マダラ…」
マダラは振り向き、やよいのおでこと自分のおでこをコツンと合わせ、
「やよい…柱間…ごめんな…ありがとう…」
マダラがゆっくり離れた。

やよいは静かに泣いた。

やよいは体がキラキラと光り、柱間とマダラの前から居なくなった。

マダラと柱間はその光りの後を茫然とみていた。

「行きますよ…マダラ」
「…はい」
マダラが足下を見ると紅の丸い綺麗な石があり、それを拾いその場を去った。
柱間達も戻ろうとした。
「扉間…どうした?」
柱間が聞く。
「何でもない」
扉間の手に緑の細長い綺麗な石があった。
帰りに兄に先程の女の子の聞いた。
「?女子?」
柱間はわかっていなかったので父にも聞いたが、父にも知らないと言われ扉間は混乱した。

「どうなっているんだ…」
扉間は一人混乱していた。

みんなやよいを忘れてしまった。
だが、扉間だけはやよいの事覚えていた。

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ