遠い日の約束〜完結〜

□十五章
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昨日の嵐が嘘みたいに天気は雲一つない快晴だった。
扉間は目が覚め隣のやよいを見た。
まだ隈はうっすらとあったが顔色がいい。おでこに手を当て熱を確認するが大丈夫そうだった。
やよいを起こさないように体を起こし身支度をした。
「…んぅ、扉間おはよ…」
「あぁ」
やよいも起きて着替え、扉間に服を返しお礼を言った。
「扉間、服とかいろいろありがとう。」
「いや…気にするな…俺のせいだったからな」
「うぅん…扉間のお陰でいろいろわかったし反省した。泣いてばかりで、マダラや柱間に甘えすぎてた。二人に追いつく為に強くならなきゃ!本当に…ありがとう、扉間」
「…俺もムキになって攻撃して悪かった」
「お互い様だよ」
やよいは笑いながら昨日扉間に傷つけた箇所に触れ治そうとしたが、扉間に断られた。
「兄者や父がやよいを忘れてるみたいなんだ。多分うちはもだろう…やよいから直接治癒してもらったのが原因かもしれない、他の可能性もありえるが……」
やよいは目を見開いて信じられない気持ちだった。
故意に消したつもりはない。
もしかしたら、絶望して無意識に消してしまったのか…
マダラや柱間が自分を忘れてしまった…
「やよい…大丈夫か?」
「…う…ん」
「俺が覚えててやる」
だから安心しろ…
やよいは扉間の肩に顔を埋め小さな声で、ありがとう…と言った。

「あのさ…聞きたいんだけど…」
「何だよ」
「昨日扉間が使ってた道具とか何処にあるか知りたいの…あと知識を少しでもつけたいんだけど…」
「なら今から俺と来い」
扉間が外に向かい始め急いで荷造りをした。
「扉間ー!待ってよ!!」

二人で森を歩き、いろいろな話をした。扉間も水を使った術が得意らしい。
「また、扉間と手合わせしたいな〜」
「たまにならな…」
「本当!?なら今度は勝たせてもらお」
「させるかよ…」
二人で話してるうちに森をでた。
「ここまで大丈夫か?」
「ん?なにが?お手洗いの事?」
「…すまない、俺の説明不足だ…」
扉間は頭に手を当てていた。
頭大丈夫かな?
「頭が痛いんじゃない…森からでたが、家に戻れるのかを聞きたかったんだ…」
「大丈夫!あの森はある程度わかるし迷ったら動物の友達が教えてくれるから!」
いろいろ突っ込みたかったがめんどくさくてやめた。

少しずつ人が増え始め、着いた頃にはあちこちに人がいて、店も沢山あった。初めて見る光景に、胸が高鳴った。
「凄いね!!」
「よそ見するとはぐれるぞ」
急ぎ扉間の手をつかんだ。
「…」
女の子らしい柔らかい手を扉間はドキドキしながら掴み返した。
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