遠い日の約束〜完結〜

□二十章
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修行させろだと?

ふざけるな!!

九尾はチャクラを口にため一気に吐き出した。凄まじい音とともに強烈な風圧がやよいを襲う。
避けようにも範囲が広い。
とっさに晶遁で身を守ったが、あまりの力にヒビが入り結晶が割れた。

「人間の分際で俺にかなうとでも?」
さっさと消え失せろ!!

「私はあなた自身の力がほしいんじゃない!!私自身強くなりたいからその修行に付き合って欲しいって言ってんの!!」
やよいは真っ直ぐ九尾を見た。
九尾は牙を出し威嚇するよう唸り声をあげ憎悪の眼差しでやよいを見た。
「いつの世も貴様等人間は俺達を力として見なしてきた。そして貴様も奴らと一緒だ!!」
九本の尻尾を思いっきりやよいに降り下ろしてきた。
やよいはギリギリかわしながら九尾の頭を目指した。
やよいを潰そうと九尾が手を振り上げ地を割った。
その手を結晶で一気に固め九尾に一気に近づこうとしたが反対の手で捕まって地面に叩きつけられた。
「げほ!!…」
口から血を吐き、頭を強く打ったらためか気持ち悪い。
「こんなので動きを封じたと?馬鹿馬鹿しい!」
結晶で封じた手をいとも簡単に解いた。
「さっさとここから消えろ!!次は殺す!!」
九尾は牙を剥き出し憎悪の目でやよいを睨み付け、その場を去ろうとした。

「く…らま…」

九尾はやよいを見た。
しかし、やよいは気を失っている。
こいつは俺の名前は知らないはずだ…
ただの偶然か…

暫く見つめその場を後にした。


ーーー
綺麗な夕日の色をした狐がいた。
九本の尻尾をゆらゆらとさせ、こちらを優しい目でみていた。
私はこの狐が大好きだ。
「なんだ…またつまらん喧嘩か…ヨキ」
「…クラマぁ…」
ふわふわの体を抱き締めた。
「あいつ等兄貴達の事でお前が心痛める必要なんかないだろう…ほっとけ」
「でも…昔みたいに…三人仲良く」
「…相変わらずだな…お前は…」
「いつか皆が笑顔になれる日がくるかな…」
「さぁな…」
「ここにいたのか…ヨキ…」
「…」
「おいで」
「いや!!」
「!……」
「わはははは!!じじぃよ、ヨキに嫌われたな!くっくっく」
「ヨキ…お前には申し訳なく思う…しかし、ワシの意思を受け継いでくれる者を決めねばならん」
「ととさまは…インドラ兄さまやアシュラ兄さまが嫌いなの?」
「二人ともワシの大切な我が子だ。ヨキ…お前も」
「ヨキ…お前があいつ等の間をとりもったらどうだ?じじぃだと余計拗れるだろうしな…くくく」
「クラマよ…ワシは悲し「そうか!!」」
「そうする!私が兄さまやととさま、クラマ達を笑顔にする!皆を幸せにするんだ!!ありがとう!!」
クラマ!!
その夜は酷く懐かしい夢を見た。

やよいは目を覚ました。
回りを見ると九尾がいなかったが少し離れたところにチャクラを感じた。

「痛!!やっぱり一筋縄ではいかないか…むぅ…」
やよいは大の字で空を見上げた。
朝日が登り初めた。
マダラや柱間を思った。
こうしてる間に二人は先へすすんでいる。そして刃を交えているだろう…
少し不安になり心配だが、今の自分じゃ相手を心配できる立場ではない。
二人に追いつかなくては…

やよいは御座を掻き目を閉じ集中しチャクラを溜め始めた。

やよいは来た鳥居の前を本陣とした。
水分をとり、戦法を考え、気を引き締め空を見た。
綺麗な夕日だ。
再び九尾の元へ行った。
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