遠い日の約束〜完結〜

□十七章
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やよいが目を覚ました時は見知らぬ天井だった。
「ここは…?」
ぼんやりしていたやよいは先ほどの事を思い出した。
やよいは布団から飛び起きた。
「!!うっ…痛っ…」
全身に激痛がはしり、体が強ばる。
チャクラもほぼ空に近かった。
傷も今までならすぐ治っていたが、チャクラもなく、竹の水もなかった為か治らず、寧ろ熱をもっていた。
ふらふらと子供を探しに行こうと襖を開けた。

「!扉間!!」
扉間が腕を組んで柱に立って凭れていた。
声をかけようとした次の瞬間、扉間
はやよいの腕を掴み布団へ投げ飛ばした。
やよいは意味が分からず、すぐ手を合わし術をだそうとするが、扉間に素早く腕を固定され、体が動けない状態になった。
「扉間!!離して!!…痛っ!」
やよいはもがくがびくともしない。更にきつく腕を掴まれ痛かった。
やよいは何故こんな事するのか分からず、扉間を見た。
「!」
扉間は本気で怒っていた。
こちらを睨みつける眼はこちらが怯んでしまうほどだった。
「やよい…俺が言いたい事わかるか」
「…ごめんなさい…」
「以前戦場は命取りの場だと言ったよな…忘れたとは言わせないぞ」
「…」
「父上がやよい達を連れて来た時は…な…死んでいるのかと思った…」
「あの子は無事なの?」
「あぁ…」
やよいは安心したが、扉間は腕の力を込め骨が悲鳴をあげた。
「痛い!やめてよ!!」
「こうしないとお前はわからないだろう…」
俺がどれだけ心配し、悲しかったか…
辛かったか…
守るといったのに守れなかった悔しさ…
不甲斐なさ、…言わなかったら良かった…教えなければ良かった…
後悔した…

「お前は…もう戦場にくるな…」
「嫌よ」
扉間はやよいの腕を離し胸ぐらを掴んだ。
「わかっているのか!?死にかけたんだぞ!!今回は助かったが次は死ぬかもしれない!!」
俺は…もう大切な人を失いたくないんだ…
「扉間…心配してくれてありがとう…でも…ごめん…私も譲れないの」
「…勝手にしろ!!」
扉間はやよいを突飛ばし部屋を出た。

「「…」」
扉間は父と無言ですれ違った。
仏間はため息を吐きやよいの部屋へ足を進めた。
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