ANOTHER QUEST

□プロローグ
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臆病で弱気な僕は毎日学校や帰り道などでよくいじめられていた。
勇気もないし、勉強も下の上くらい。
スポーツもあまりできなく、いつも皆の足を引っ張ってしまう。
今日も学校ではクラスメートにからかわれていた。
僕は時宮コン。
今は下校途中に、いじめっ子に捕まり、引っ張られながら連れて行かれている。
連れてこられたのは今は使われていない国道トンネル。
使われていないからトンネル内は真っ暗で、いかにも出そうな感じ。

「こ……ここで僕を何するの……?」
「何もしねぇよ。この先の出口に俺らの仲間がいるからそこまで行くだけだ。
もし出れたらいじめはやめてやるよ」

出口って……このトンネル、3kmあるんだけど!?

「無理だよ……そんなの……」
「なんだ?ならこれからもいじめてほしいのか?せっかくやめてやるチャンスをくれてやってるのに……」
「う……わかったよ……」

もういじめてほしくないし……ね。
改めて見ると、トンネル内は吹き抜ける風の音や真っ暗で恐怖を感じる。
でも行かなくちゃ……。
一歩一歩ビクビクしながら進み、あらかじめ渡された懐中電灯を頼りに進んでいく。
懐中電灯で照らされている部分だけが頼りで、なるべく全体を見渡せるようにしている。

「どうかなにも出ませんように……」

あれ……?
なんだか森の香りがする?そ
んなはずないよね?
そう思った瞬間、目の前に眩い光が現れた。

「な……なに……」

もうやだ……。
涙目になりながら僕はその光に包まれてしまった。

「……おっせぇな」

イライラしているいじめっ子達は痺れを切らし、トンネルい入っていった。
10分で出られたが、コンの姿はなく、仲間の一人だけだった。

「おい、コンの野郎は来たか?」
「いや、まだ来てないが」

不思議に思ったいじめっ子達だったが、どうせ抜け道を見つけたんだろうと思い、放置することにした。

「明日学校でとっちめてやる……」

そういい残し、彼等は家に帰ってしまった。
 

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