ANOTHER SCHOOL LIFE 〜神鳳学園〜

□第一話:LET´S SCHOOL LIFE!
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「……と、いうわけでからこの学園に入ったエルザです。よろしくおねがいします」

僕は転入したクラスのみんなに自己紹介をして、頭を下げた。
みんなが拍手してくれるのがとても嬉しい。
僕がこの学園、神鳳学園に来たのは昨日で、それまでは人間の学校に通っていたんだ。
……そう、今は白い狐の姿をしているけど元は人間だったんだよね。
あれは昨日の事……

〜回想〜

「ここは……どこ?」

気が付いたら真っ暗な場所にいて、自分の姿が見えないくらいなものだから光を求めて走った。
でも、走っても走っても光が見えてこなくて、僕はもうここで……わけがわからないとこで死んじゃうのかと思った。
もっと学生生活を送りたかったなぁとも思った時、目の前に光が見えて、僕は光に向かって一気に走った。
やがて光に包まれて、あまりの眩しさに目を閉じてしまった。
そして、再び目を開けると、僕は自然の中に建っている、大きい建物の前に立っていた。
っていうか、敷地広い!!
面積どのくらいあるの!?
チャイム音が聞こえるから、学校みたいだけど……

「あら?あなたは誰?」
「え?……ってうわぁ!?き、狐が喋ってるぅ!?」

き、金色の毛並みの狐が喋ってる!!
な、なんで!?
しかも、尻尾が七本あって、二本足で立って、服着て……!?

「狐が喋ってるって……そんなの当たり前でしょ?」
「当たり前って……人間の僕に普通わかんないよ!!」
「人間?なにそれ?第一、あなたは狐族でしょ?」
「え?」

僕は自分の姿を確認する。
体中に生えた真っ白な毛、動物みたいな手足、頭にはないはずの耳、フッサフサの尻尾、鼻は少し前に出ている……
僕本当に狐になってる!?

「なぜそんなに驚いてるの?」
「いや、だって……人間から狐になったんだよ!?普通驚くって!」
「変わった娘ねぇ……」

あれ?
今この狐、娘と書いて“こ”と読んだ?

「僕は男……もとい、雄だよ!?」
「あら、そうなの?まぁ、立ち話もなんだから、経緯を聞かせてくれるかしら?」

僕は学校の中に案内され、校長室の中に入る。

「さて、私はこの神鳳学園校長のレオナよ。あなたの名前は?」
「……エルザ」

たぶん、本当の名前言っても変と思われるだろうから、偽名でも言っとこ。
ここって神鳳学園っていうんだなぁ。

「エルザね。君はどうして学校の前にいたの?」
「わかりません。気が付いたら真っ暗な場所にいて……走っていたら出口だと思う光が現れて、出たらあそこにいたんです……」
「……どうやら、異世界に来てしまったのね……」

異世界?
一体どうやって……
帰る方法ってあるのかな……

「ねぇ?あなたさえよければ、帰る方法がわかるまでこの神鳳学園に入学してみない?」
「え?」
「幸いここは全寮制だから、少しは情報が集まると思うけど……」

そっか……
その手もあるよね……
行く場所もないし、途方に暮れるよりは……よし。

「じゃあ、お願いします」
「わかったわ。手続きはこっちで進めておくわ。じゃあ……中等部がよさそうね。寮は一か月の準備がかかるけど……その間は……ちょっと待っててね」
「はぁ……」

そう言ってレオナ校長は立ち上がって、どこかに電話をかけだした。
どこに電話してるんだろう?
ていうか、なんか勝手に中等部にされたし……
そして五分後、扉を叩く音がした。

「はい、どうぞ」
「失礼します」

今度は犬?
黒が結構多いし、耳のとこに赤い毛があって、目元には紫が……

「授業中にごめんなさいね。エルザ君?彼はフォングル君といって、高等部二年生の生徒会副会長よ。で、こっちはエルザ君。どうやら、別世界から来てしまったみたいなの。一か月あなたの部屋に泊めてあげて、色々教えてあげて?」
「わかりました。大変だったね、よろしく。フォングルだよ」
「え、あ……エルザです!」

僕はフォングルさんと握手する。
優しい瞳だなぁ……

「じゃあ、部屋に案内してあげて。私は手続きをするから。事が済んだら詳細を教えるから、その時はまた連絡するわ」
「わかりました。では、失礼します」
「し、失礼します!」

頭を下げて、僕は校長室を後にする。

「じゃあ行こっか」

フォングルさんに着いていく僕。
これから先、どうなるんだろう?
この学園で……うまくやっていけるのかな?
 

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