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□赤の愛語詠唱
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※無駄に長いお。オリキャラが出張るよ。気を付けて。
「頭ァ‼︎島が見えたぜェ‼︎‼︎」
「上陸準備だァ‼︎」
「「「オオォオ‼︎‼︎」」」
そんなこんなで島に上陸でござる。本当はいつもの如くお頭について行きたかったんだけど、何を隠そう今日の私は食料調達当番と言う何とも面倒な当番なのである。
『めんどくさ〜』
「まぁ、そう言わずに」
そんでコイツはコックのロックで現在パックにエッグを詰めている。そう、つまりうちの船のコックで名前はロックと言う。別に最近って訳じゃないけどクルーの中じゃ一番の新人くん。因みにパックに卵を詰めてたのは船番で残るクルー用のものらしい。にしても卵だけっておま…。鬼畜か。
『あぁぁ…お頭と一緒が良かったぁ…』
「島に着く度にいつも引っ付いてるじゃないですか。偶には我慢してください。お頭も良い加減ウザがってるかもしれないですよ?」
『お前は何の恨みがあって私にそんな鬼畜な言葉を投げかけるんだ。私なんかした?』
そう。新人と言っても今となっては私に向かってこんな口を利きやがる。なんて可愛くない。にしてもアレか?この間 冷蔵庫のプリン盗み食いしたのがダメだった?そんなにプリン好きなの?ごめんよ、謝るから鬼畜な言葉を投げ掛けるな下さい。
「食料調達は大事ですよ。良いもの仕入れて頭に美味しく頂いて貰いましょう?」
『…うん!そうだね!お頭の為にも良いもの調達しよう‼︎』
「葉月さんってホント単純ですよね」
『うるへー。お頭の為なら私は例え火の中水は愚か海の中だって行ける!てゆーかお頭さえ居れば私にとっては地獄ですら天国!これこそ愛っ‼︎‼︎』
「葉月さんって見た目良いのに絶対性格で損してますよね」
『ナニソレ。褒めてんの?貶してんの?私的には貶されてるようにしか感じませんけど?お前ホント何?そんなに私の事キライ?』
「イヤ?俺葉月さんの事好きですよ。見た目だけなら」
『私の性格全否定か』
「まぁ俺、上品でお淑やかな女性が好きなんで。葉月さんが上品でお淑やかになったら完璧なんですけどね。それが故にその性格が残念でならないです」
『言いたい放題だな、腹立つわ』
ホントなんなんだよ。人に好きと言われたのにトキメキは愚か嬉しさも感じないって…。つか、この会話中に卵を詰めてた筈のパックが色鮮やかな申し分無いくらい上等なお弁当に早変わりしてるとか…。流石コックだよ、文句無しだよ、お前は腹立つけどお前の作る料理は大好きです!
「味見、どうですか?」
なんて言って料理されたお肉の欠片を箸で摘まんで私の口元に持ってくるもんだから、もう口を開けない訳にはいかないよね!こんな美味しそうなもの前にして食べずに居られると思う⁉︎いいや、思わないねっ‼︎と言うことでいただきまーす‼︎
『うまぁぁあ‼︎』
「それは良かったです」
『お前さっきみたいな鬼畜発言しなきゃモテると思うよ、うん』
「知ってます」
なんだと…⁉︎知ってますって…⁉︎ナルシィか?ナルシィなのかお前は⁉︎私に対して性格残念とか言ってたけどお前も十分残念だかんな!……でも待てよ?料理上手でルックスも上々。……なんだコイツ、割とスペック高めじゃないか……?まぁ!お頭と比べれば月とスッポンだけどねぇぇぇ‼︎‼︎お頭より魅力的な人なんてこの世に存在する訳がなぁいぃぃ‼︎‼︎ああぁぁぁあ……お頭…貴方と一緒に島を見て回りたかった…。
「よし、お弁当完成!それじゃあ行きましょうか」
『おーす』
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