Present

□ヨシナツC
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【 ヨシナツC 】



彼の眼差しが好き


気がついた時には好きだった
理由なんて知らない

もともと活動の域が違うから
会えることはあまりなかった

彼らが
ごく稀に出る歌番組が唯一
同じ時間を過ごせる時間

そんな時はつい
目で追いかけてしまう




そして、気がついた
彼が優しいだけとは違う視線を
向けているメンバーがいること

彼がその想いが成就しないことを
悟っていること




しばらくすると
彼の想いは完全に一方通行だと
決定づける出来事


彼の心は傷ついているだろう


そこにつけ込み
彼に囁いた


卑怯でも何でもいい
彼に近づきたい
彼に触れたい




あの人の代わりでいい
あんたを抱きしめさせて…









柔らかいけれど強い意志が
奥底に潜んでいる瞳

そこには
俺を受け入れないはしない
冷たい光を宿す




その瞳が



あの人を想い
熱を帯びて潤む




あの人を想い
快楽に酔う




昨晩の乱れきった姿が嘘のように
ベッドに身を沈めて
ぐっすり寝入っている


その姿は
少し幼く見え
彼を愛おしく想う




さらりとした金髪をそっと梳く
いつも美しい旋律を紡ぎ出す
綺麗な指先にそっと口づけをした





祈りにも似た気持ちが
こみあげ
思わずつぶやいた





『俺を見て』








end.
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