Present

□ヨシナツF
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【 ヨシナツF 】




柔らかな金髪の髪…
男にしては細めな首筋…
薄い唇…
綺麗な指先…
汗ばんだ肌…
イく時の表情(カオ)…


思い出したらたまんなくなって
勢いにまかせて新幹線に飛び乗った
俺らしくない行動…


会いたい

と、言われて浮き足立った
嬉しくて早く会いたくて………




でも
少し時間が経つと
いつもの冷静な自分



会いたいってどういうことだろう


メールではなくて
直接何かあるのか
面と向かって話をするってこと?

会って話すってことはかしこまった話?


俺と彼の間で
そんな話題といったら


この関係についてだろうか…





彼の本意ではなく
俺が無理矢理に作った関係

彼のあの人に対する想いを利用して、
俺の彼に対する想いをぶつけるため


彼の深く傷つき弱った心に
寄り添うふりをして
彼をあじわった






彼もいい大人だ………
いつまでも自分の失恋に
酔いしれてなんかいないだろう………

あの人への想いを昇華させてしまえば
あの人を想ってする
自慰的なSEXなんかはすることはない

ということは
俺といる必要がないということ




シートに身を沈め
読もうと広げた本をそのままに
グルグルと色んなことが
頭の中をめぐる




彼の恋人になれると
思っていたわけではないけれど
目の前に終わりを突きつけられたら
簡単には受け入れられそうにはなかった


悪魔に魂を売って
最低な自分になったと思っていたが
いざ関係の終わりを告げられたら
嫌だとわめきちらしそうな
さらに最低な自分がいる



彼を捕まえて
ベッドに鎖でつなぎ
監禁でもしてしまおうか……



俺の手から食事を与え

俺の口付けで水を飲ませ

俺を咥えこませて

俺を感じて啼かせて


俺しかいない世界に
彼を閉じこめようか…………





彼を手にいれるためなら
どこまでも最低になれそうな
自分がいる






バカなことばっか考えてるな…
ふと我に返ってため息をついた

このまま彼に会わずに
自宅に帰ろうかなんて考えた矢先
目的の駅に到着するという
アナウンスが流れた





彼に会うのが怖い
彼に会いたくない







でも……………………
………………会いたい










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なっちゃんBD前夜祭に捧ぐ
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