□一章、十分
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三分だけ早く帰ればよかった、と。


後で後悔するんだ、俺は。



「良! 俺これ! これがいい!」

「……唐揚げね」



何か無駄に高いんだけどこの唐揚げどんだけ美味いの



「いいよいいよ、出血大サービスだから……。 で、ラウン……シロは?」

「あ、良……僕後ろ……」

「ん? あ、ごめん、気付かなかった……居る事早く言えよ……」

「良、僕……これ、いい……?」

「いいよいいよ、クロは……明日買ってやろう。 レジ行くぞ〜」



シロが手にしたのは何とも可愛らしい、飴だった



「ありがとうございました〜」

「すげー! あの機械すげー!」

「声が大きい、帽子は取るな」

「……はーい……」

「良……なんか、あの人達ずっと見てくる……」

「……気にすんな、クロのとこ帰るぞ」

「良! 俺持つ!」

「……袋を?」

「うん!」

「重いぞ」

「いいよ!」

「……じゃあ軽い方な」

「はーい!」



なんだかんだで可愛いな。


って、言うか。


犬が人間になったって事をサラッと認めてる俺がいる……。
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