青 春 教 室

□1.片思いの時間
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さて、どうしようかと困っている私の前に現れたのは、極力関わりたくないと思っていた綺麗な赤色の髪。


「お兄さーん、その子俺の彼女なんだけど、何しちゃってんの?ほら、可哀想に。立てる?」


そう言って手を差し伸べてくれるけれども痛くてそれどころではない。


「ねぇ、誰の彼女かわかってて殴ったんなら、あんたらの命保証出来ないよ?」

「ガキがうるせーんだ…ぐぇっ!」


ヤンキーは赤髪の少年にお腹を思いっきり殴られる。
私の時よりも痛そうだ。


「今度この子に手出したら…、次は容赦しないよ?」

「おい、やべぇよ、この赤髪。ほら、帰んぞ!」

「あっれー、思ってたよりもチョロかったかな。」

『あっ、あの!』


微かに声が震えてしまうのは、
彼に対する恐怖なのか。
それともさっきの人達に対する恐怖なのか。
私には、わからない。


「あぁ、君。本当にお腹痛そうだけど、大丈夫?」

『助けてくれて、ありがとうございました!お腹はもう大丈夫です。』


とは言うものの、そう簡単に大丈夫になるわけがない。

とにかく今すぐここから離れたい。


「嘘、ついてるでしょ?いいよ、肩貸すから捕まって。あ、自己紹介遅れたけど、1年D組の赤羽 カルマ。」


これが、素行不良と呼ばれた赤羽くんとの出会いだった。
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