うたプリ オリジナル

□No.1
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優花side


あれはまだ私が7歳、玲俟が6歳の頃だった。





私が小学校の帰りに幼稚園に玲俟を迎えに行って、家に帰ったときだった。





『ママ〜、パパ〜、ただいまぁ〜!』





『…ただいま。』





「優花!!!玲俟!!!

逃げるんだ!!!」





「逃げてちょうだい!!!」





私たちが家に入るとママとパパの逃げろという叫び声が聞こえた。





その声は絶対に来ちゃダメという感じにも聞こえた。





その直後、断末魔の叫び声が聞こえ、パリんという音も聞こえた。





私と玲俟はすぐさま聞こえたリビングの方へ走った。





バンッ!!!





ドアを壊れるくらいの力で開けると血だらけで倒れてるママとパパの姿があった。





近くには血がついた包丁と、割れた窓ガラスの破片が落ちていた。





『えっ…ま、ママ…?』





『ぱ、パパ…。』





私たちは血に気も止めず、ママとパパに近づいた。





「っ…優花…。

ぶ…無事…だっ……たの……ね……。」





『ま、ママぁ……。』





ママは私が近づくと、微かに目を開いて、微笑んだ。





そして、自分がつけているハートの形をしたピンクの宝石のネックレスを私の首にかけた。





玲俟にもパパがしてる。





「優花……。

よく聞いてね…。

優しく…笑顔で…素直に…そして迷惑…かけな…いように…生きて…。

それが…ママとの……最後の約束…。

わかった……?

……大好き…!」





ママはそれっきり動かなくなった。





「ま、ママ……?

ママァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァアアアアアアアアアアアア!!!!

うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁんんんん!!!」





そのとき、生まれてはじめて泣いた。





優花は私に抱きつき、慰めようとしてくれていた。





その泣き声とさっきの断末魔の叫び声を聞き付けて来た警察の人に私たちは保護された。





ママとパパの通帳には莫大な金額のお金が入ってた。





それを見て、親戚たちは私たちに来るように言われたけど、お金を狙っているのだと小さいながらに感じとり、2人で暮らした。





誰も、誰も信用できない!!





信用している人しか信用できない!!





誰も信じられない!!!!





私はママとの最後の約束を守りながら、莫大な財産を立派に管理した。





玲俟にも、パパとの最後の約束があるみたいだけど、それは教えてもらえない…。





それから、私と玲俟は歌い手を始めた。





私たちの歌が好きだと言ってくれたママとパパのために…。





そして、自分達の悲しみを紛らわすために…。





結果、私たちは有名な歌い手になった。
 

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