無双OROCHI

□徳川軍
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「忠勝は…平気なのだろうか」


空を仰ぐように主が呟いた。

どんよりと沈んだ灰色に覆われ、それは主の今の心境を表しているようだ。
彼が心配するのも無理は無い。混沌としたこの世界次々と亡くなる仲間達、おそらく最強といえよう力の持ち主、遠呂智。
この数日のうちで状況は変動し過ぎだ。



我等は本多忠勝とは未だ会っていない。
だが、彼は生きている。
根拠も無しに思えたのは彼と主の繋がりが他の何に例えるよりも強く、信じあえるからだ。
その契りをあの男は簡単に手放したりしない。


ただ、

(もし、彼が――)


醜い感情が支配する。
何故、こんなにも我は安堵しているのか。
主が溜め息混じりに話していても、我は不安に身を置く彼を抱擁出来ぬ。
いっそ全てを打ち明けてしまいたい―そんな感情揺さぶられ、我は遠呂智を憎むことしか出来ない。
それを理由に許されるのではないか、と我は少しだが楽になれた。

この想いが膨れ上がり、破壊の止まぬ体にならぬよう早く此処に戻れ、殿に愛し愛される武人よ。

そうでなければ我は――。






◎ストーリー呉を一章まで。本多いまどこ?つかもしかして普通にいるん?まあいいや
微妙なはんいえでした
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