宝物庫
□紙風船
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紙フウセン。
「なんだ?これ」
「紙風船だよ」
「かみふうせん?」
「そう。こうして…」
アルフォンスが丸い穴から、ふっと息を吹き込むとそれは、丸いボールのよう
な形になる。
「へぇ…かわいいもんだな」
アルフォンスの手のひらに、まあるくてあかい金魚のかたちをした、紙風船。
顔がなんだか愛らしい。
エドワードが、アルフォンスの手のひらにある紙風船を、片手で持とうとする
。
すると、ぐしゃり、とそれは潰れてしまった。
「あ〜あ〜兄さん」
思いがけず柔らかく、そして脆くて、エドワードはそれに戸惑うような表情を
浮かべた。
「紙風船はその名のとおり、紙なんだよ?そっと柔らかく持ってあげて?そ、僕
に口づけするみたいに」
にこ、と笑ったアルフォンスに、エドワードは真っ赤になって、ごつ、と頭に
拳を打ち付ける。
「イタイです、お兄様…」
「おまえがヘンナこと言うからだろ!」
くすくすと笑ったアルフォンスは、紙風船に再び息を吹き込ませた。
だが、すぐにざっと吹きすさんだ風に、それを取られてしまう。
「あ…」
ころり、と音もなくそれは床を転げる。
今度はエドワードがそれを拾って。くすっと笑った。
「だめだな。アル。ちゃんと持たないと。オレを抱きしめるみたいに」
紙風船に口づけをするように、くすりと笑った兄に、思わず赤面した。
「もう…」
兄の手首をぎゅっとにぎって、そのまま引き寄せた。ころり、と音もなく、そ
れは床に転がって。
……優しく、そっと触れるように重ねた唇。
だけど、すぐにアルフォンスの舌がエドワードの口腔内を蹂躙する。
「はあっ…」
苦しかったのか、唇をほんの一センチ離すと、兄が息を大きくはいた。
「もう!優しく口づけするんだろっ!」
「え?兄さんを抱きしめるみたいに、ちゃんと持つんでしょ?」
くす、と笑ったアルフォンスに、エドワードは睨みあげて。
「ま、潰れたって息を吹き込めば、元通りだよ。脆そうにみえて、紙って意外に
丈夫なんだから。まるで、兄さんみたいに――」
そして、さらに、甘さが加わる…――
おわり
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ワタクシ管理人が愛してやまないアルエドサイト様から頂きましたVv
ジンタ様!!ありがとうございます!!
嬉しいです!
そしてこれがサイト停止一年記念な更新になりました☆
記念すべき(!?)一周年に大好きなサイト様から作品頂けるなんて…!!!(嬉)
…そして…しょ・精進いたします…
ジンタ様のサイトはとても更新が早いのです(汗)
…つ…爪の垢くださいっ…;;
stahl wolf
リンクの張り方分からないので取り敢えずこう云う風に載せます。
↓ジンタ様のホームページです↓
stahl wolf
http://id25.fm-p.jp/7/spelove/