駄文:鎧鋼

□シアワセな昼下がり
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「兄さん、今日のお弁当美味しかったよ」
「なんだ?『今日』だけか?」
つん とイタズラっぽく拗ねたように唇を尖らす。
「ううん?いつもいつも、とぉっっっても美味しい!」

力強く強調すると流石に少し照れたのか 

ふいっ 

と顔を逸らした
…その時太陽の光にきらきら透けた金の髪がキレイで、おもわず手に掬って口付ける。

さらさらと指から零れる髪は、旅が終わった後も切られる事はなく背中に流れている。
なにかと理由をつけて手入れを怠ける兄に代わってアルが丹精込めて手入れした髪には天使の輪が浮いていた。






 もし今司令部の中庭側の窓から二人を見下ろす人がいたならば、陽光に照らされた二人の髪が光の輪を弾き、金色の天使が二人、戯れている様に見えるだろう。


中庭はほぼ全室から見る事が出来るため、それを眺める人達に至福の時を与えていた。
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