図書館♪

□第五章…人質…
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一緒に行きたい……!




そんな事を言えるはずもなくて………。



愛螺は俯く。



「…ごめんなさい…。

愛螺が大切だから、連れていく訳にはいかないの……」

「……うん。分かってる。
……大切にしてくれてるって分かるだけで…嬉しいよ」

「……絶対…取り戻す………!」

愛螺の言葉に綾奈は微笑む。

そして目を細め、低く言った。


「………待っててね…」


綾奈が苦笑する。


愛螺が強く頷いた。


「……行ってらっしゃい」


「……えぇ」


綾奈も頷き返し、走り出した。


「……琴音…………」



無事に戻ってきて……!
















「……ん………」


「…あ。目覚ました♪」


琴音は、意識を取り戻した。


そんな琴音に、亜梨那が嬉しそうに笑った。


「……!此処は……!?」

バッ


グンッ!



「!?」


琴音は今、暗くて、肌寒い所に居た。

今の状況に気付き、体を動かしたが、体と柱に巻き付けられたロープに引っ張られた。


「だぁめ♪
動いちゃ………♪」

スッ


亜梨那が琴音の口元に指を当てた。

そして、その指を静かに首筋まで移動させながら言う。

「…貴女は大切な人質だから♪」

「……っ………」

琴音は亜梨那を睨み付ける。

亜梨那は動揺せず、笑顔のまま。

「……お姉様。

目を覚ましましたよ」

亜梨那が指を離し、立ち上がる。

そして、静かに綾奈母、莉美を振り返った。

「!」

「……そう…。

綾奈はそろそろかしらねぇ…♪」

「……えっ……!?」

莉美の言葉に琴音は目を見開く。

胸の鼓動がやけに大きく聞こえる…っ…

「……綾奈が…っ!?」

「…言ったでしょ?
貴女は人質だって♪」

亜梨那が楽しそうに言う。

「……っ…(私のせいで……綾奈が…!!)」


琴音は目を細める。

「……!(そうだ……!)」


これなら…縄を解ける……!

…危ないけど……っ


「ねぇ、亜梨那…だっけ?」

「ん〜?」

亜梨那が首を傾げる。


「……この縄解いてくれたら、貴女の言う事何でも聞いてあげるよ?」

「!」

亜梨那の目が見開かれた。

「そ、それほんと……」

「馬鹿ね。騙されてるんじゃないわよ。

逃げるに決まってるでしょ」

「チッ……無理か…」

琴音が舌打ちした。

「…危ない…騙される所だったぁ」

「ねぇ」

亜梨那が不敵に微笑む。

琴音は再び問い掛けた。

床に落ちているナイフを指で示し…

「あれってさ…人殺せるの??」

「……な…?」

不敵に微笑む。

莉美の眉が寄った。

「……人を殺せるかって?
左胸を刺せばあっという間にあの世行き……」

「…なら、試してみてよ」

琴音は莉美を挑発する。

「…へぇ。いい度胸してるじゃない」

莉美は冷笑を浮かべた。

そして、亜梨那を見る。

「亜梨那。この子を殺しなさい」

「!!」

亜梨那は驚きで目を見開く。

「…そこのナイフで、
痛めつけてやりなさい。

……動けなくなる位」

「……殺すのは反対です…。綾奈が来なくなる」

莉美の言葉に亜梨那が反対した。

莉美は目を伏せ言った。

「…指示変更。
痛みつけなさい」

「了解」

亜梨那はナイフを掴む。

琴音が亜梨那を睨む。

「…やるならやれば?
私は死なないから」

「…いつまで強がれるかな?」

ヒュッ
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