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□第二章「それぞれの思い」
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家に帰った琴音はベッドに潜り込んでいた。

「・・・・・・」

綾奈の事が頭から離れない。
殺しは犯罪よ?分かってるの?と質問したら、
彼女は自身満々に、「勿論」
と答えた。
何考えてるの・・?

「・・・・・・・・。」

ううん・・。それより頭から離れない事がある。



裕也の事だ。
あれほど真剣な裕也の目は見た事ない。それに気のせいかもしれないが、優しかった気がする。
華恋が見てたらとっさに割り込んだだろう。
・・・・彼女は裕也が好きなのだから。

「・・・調子狂うじゃんか・・」

裕也なんか好きじゃない。
ずっとそう思ってきたのに・・・・
この気持ちは何だろうか・・。









「彪乃」

綾奈は振り返る。

「・・・お母様・・・」

「・・・・違う子を標的【ターゲット】にしたわね。」

母の目が細められる。

「・・・ごめんなさい・・・・でも
あの子は、とても楽しいの。
私と対峙出来る程の力を持って・・」

「彪乃」

綾奈が言い終わる前に母の声が耳に
刺さる。鋭い声。

「・・・私が命じたのは
「水流愛螺」の暗殺よ。
違う子はそれが終わってからにしなさい」

「・・・・はい・・」

綾奈は辛そうに目を細めた。




私は・・・自由になる事が出来ない。
一生・・・・お母様の人形として
生きるー・・・・・・。
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